午後2時。国家戦略本部が取り纏めたマニフェスト提言を携えて総理官邸を訪ねた。メンバーは保岡興治氏(国家戦略本部事務総長)、杉浦正健氏(国家戦略本部事務局長)、塩崎やすひさ氏、世耕弘成氏、そして山本一太というメンバーだった。




 A4の用紙一枚にまとめられた提言に目を通しながら、小泉総理が言った。「うん、これはタイミングがいいな。」その後、総理の口からずっと聞きたいと思っていた言葉が次々と飛び出してきた。




 「小泉は政局音痴だみたいに言っていた人もいるが、この総裁選挙から総選挙という流れになって、ようやく自分の意図が分かってきたはずだ。こういう状況を待っていた。」「8月中に総裁選挙に向けての小泉公約を発表する。従来の自民党の公約とは内容の異なったものになるだろう。」「この公約に対して、個々の議員は政治的な立場をハッキリせざる得なくなる。小泉を応援するか、対抗馬を応援するのか。態度を曖昧にする議員がいたとしても、選挙に際しては立場を明確にしなければならなくなるよ。」「総裁選挙は臨むところだ。どんな結果になっても、改革が進めばいい。」




 予想以上のポジティブな反応にいささか驚いた。が、同時に総理がようやく「勝負する覚悟」を固めたと感じた。嬉しかった。官邸に押しかけた甲斐があった。「小泉総理、総選挙できちんとした踏み絵になるような公約を、ぜひ作ってください!」と念押ししておいた。総理はニッコリしながら、うなずいていた。




 ミーティングの最後に保岡氏が小泉総理に聞いた。「ええと、今の話はどこまで外で言っていいもんでしょうか?」総理がすかさず答えた。「全部話してもらって結構。裏表はないから。」




追伸:

 午後4時。「与党政策責任者会議」に水野賢一衆議院議員とともに出席。外為法改正法案(議員立法)の説明をやらせてもらった。少しずつでもホフク前進を続けている。あくまで今国会での成立を目指し、最後まで努力したい。ネバー・ギブ・アップ!