昨日の日経新聞の二面に、外為法改正に関する重要な記事が載っていると連絡があった。さっそく確認してみると...あった!タイトルは「北朝鮮制裁法案難しい。」自民党の久間章生政調会長代理が、15日のNHK「日曜討論」で、日本単独で経済制裁を発動出来るようにする議員立法について「実効性が伴なわない。今度の国会では難しい」と消極的な姿勢を表明した、という内容だった。この発言には驚いた。




 6月5日。先々週の木曜日に、水野賢一衆議院議員と二人で久間政調会長代理の部屋を尋ねた。もちろん外為法改正案の内容について説明するためだった。久間氏の最初の反応は消極的というより、かなりネガティブだった。相当いい加減な法律に違いないという先入観をお持ちの様子だった。これまで一度も説明していなかったのだから、無理もないことだと思った。




 「党の部会を通ったというが、ちゃんと議論したのか。そこに幹部はいたのか。」「全く実効性がないのではないか。」「関係省庁は本当にこれで問題ないと言っているのか。」等々、厳しいご下問があった。一つ一つ、丁寧に説明した。思ったよりまともな法律だということは、ご理解いただけた感じだった。久間氏は、「関係省庁の見解は自分も確かめてみる」と言い、さらに、「この議員立法を了承したとかいう合同部会に出ていなかった各部会の幹部もいる。まず、そうした有力者の理解を得ることが大事だ」とつけ加えた。その場で説明にうかがうべき数名の議員の名前を受け取った。




 この翌日(?)、財務・経済産業・外務の三つの部会を担当する党政調の副会長が財務省、経済産業省、外務省の担当者を呼び、外為法改正案について意見を聴取したらしい。官僚の答えは、「これで問題ありません。後は立法府の判断です」というものだったようだ。すぐに経済産業省を担当する小此木ハ郎衆院議員から電話があった。「一太さんさあ、内容は分かった。オレからも久間代理には報告しておいたよ。まあ、後は政治判断がどうなるかってことだよね」と話していた。義理・人情に厚い小此木さんらしい言葉だと思った。




 さっそく党のスタッフと相談して、この議員立法の説明に回らねばならない議員リストを作った。仲間と手分けして一人一人と約束を取り、今日まで一生懸命走り回ってきた。知事選挙の応援で連絡の取れない某議員を除いては、ほとんどの有力者に理解を得た。報告もかねてもう一度久間氏に会いにいこうと思っていた矢先の「この発言」は寝耳に水だった。




 「しっかり説明に回れ」と言われたから、仲間と協力して努力している。この段階で、久間氏がこんなことを言うわけがない。相手がシニアだとか、若手だとかは関係ない。政治家としての信義の問題だ。明日、午後1時過ぎに久間代理と再び約束を取った。この件について、きちんとしたご説明が聞けるものと思う。