人間の社会とは難しいものだ。こちらが(心からの)好意で言ったりやったりしたことでも、相手に曲解されたり、思わぬ反感を買ってしまうことがある。みんな自分と同じ感覚で物を見ているわけではない。世の中には猜疑心が強くて、気難しい人間だって少なくない。相手をよく見て行動することだ。人間観察のプロであるべき政治家がこんなこと言っちゃいけないですね。




 それにしても、常に「自分を実力以上に見せようとあくせくしている」タイプの人を見ると可哀想になってしまう。プライドばかり高くて、実は中身が伴なっていない。この手の人間は精神的にいつも不安定な状態で、自分の感情をコントロール出来ない。自信がないから、いつも威張っている。コンプレックスの裏返しだろう。




 必要以上に「強がったり」「カッコつけたりする」性格でなくて良かった。楽天的だった母のDNAに感謝している。自分の非力さや才能の無さにイラ立つことはあっても、けして背伸びしようなんて思わない。政治家に限らず、人間の魅力や能力は「自然体」になった時に最も発揮されると信じている。




 午後8時半を回った。議員会館の部屋で一人、キーボードを叩いている。事務所のスタッフもインターンもすでに帰宅。そのうち少なくとも二人(政策秘書と上京した地元秘書)は東京のどこかで飲んでいるはずだ。インターンの希望は山ほど寄せられてくるのに、肝心のアルバイト学生がなかなか見つからない。常駐秘書二名の仕事のロードは、いよいよ限界に達しつつある。何とかしないといけない。




 今日一日の日程を振り返ってみる。二名のインターンが揃ったせいか、事務所の中はやけに賑やかな感じだった。議員会館事務所の雰囲気が、少しずつ自分のイメージに近づいてきた。回りの人間がようやく「山本一太カラー」に染まってきたということだろう。