午後6時15分。有事法制関連三法案が参議院の特別委員会で可決された。明日の参院本会議で成立する。小泉内閣は歴史に残る内閣になる。




 午後6時40分。都内某ホテルのコーヒーショップで「私が総理になったら」の中国語版プロジェクトの打ち合わせ。翻訳の最初の素案はすでに出来上がったとのこと。中国本土での9月の出版を目指し、作業は急ピッチで進んでいる。いい感じだ。




 午後8時30分。参議院某若手グループの懇親会(すでに6時半から始まっていた)に向かう。タクシーの中から出席者の一人に電話を入れた。「もしもし、一太さん?懇親会はあと5分でお開きです。二次会で銀座行きましょう!」という返事だった。




 二次会組と日航ホテルの前で待ち合わせ、同僚議員の顔見知りのママがいるという店(銀座のクラブ)に入った。このママ、銀座ではとても有名な人らしい。ある種のカリスマを放っていた。こういった場所で初めて名刺交換をした。店は明るくていい雰囲気だった。




 ちなみに、銀座のクラブには普段ほとんど縁がない。国会議員になる前は一度も行ったことがなかった。政治家になってからだと...ええと、7年間で5回くらいだろうか。それも先輩議員や同僚議員に誘われた時だけだ。自分から予約出来るような店は残念ながら(?)一軒もない。




 政治とはおよそ関係のない話で盛り上がっていると、別の席を担当していたスタッフが伝言を持ってきた。「○○さんがあちらの席でお呼びです」というので店の奥のほうを見ると、地元企業の若手経営者の顔が目に入ってきた。二人とも気鋭の経済人だ。「後ろ姿ですぐ分かったよ」「いやあ、偶然ですねえ」と短い会話を交わし、もとの席に戻った。いやあ、驚いた。世間とは狭いもんだ。




 別に政治家が銀座のクラブに行っても何の問題もない。本質的には、焼き鳥屋とか、どっかのショット・バーで飲むのと変わらないと思う。趣味の問題でしょう。ただ、通常ほとんど行かない銀座のクラブで地元の知り合いに遭遇してしまった。「あ、いつもこうして銀座で飲んでいるのか」と思われたとすると、ちょっとシャクな気持ちがした。だいたいアルコールはほとんど飲めないし、仲間との悪巧み(?)を料亭とか高級クラブでやる財政的余裕もない。




 銀座のクラブに顔を出すのは、これできっと最後になるだろう。