自民党国家戦略本部で「マニフェスト」の検討を始めることになったという記事を目にした。これってちょっとニュアンスが違う。現在の党のシステムから考えても、政治的に見ても、国家戦略本部が党の具体的なマニフェストを策定するなどということは(残念ながら)不可能だ。国家戦略本部の若手座長会(M8)のメンバーである自分が言うのだから、間違いない。

 もう少し正確に言うと、保岡興治事務総長の下で「マニフェストというものを研究し、総理に対して明確な目標を付した選挙公約の必要性を訴えるための提言をまとめる」ということだろう。これはこれで意味があることだと思う。が、内容をきちんと説明しておかないと、後々いらぬ誤解や摩擦が生じる恐れがある。もちろん、党からインパクトのある選挙公約/国家ビジョンが出て来るなどという幻想は最初から抱いていない。党総裁と党幹部を含む多数派の考え方が大きく違うのだから。そうでなければ、有志で実験的マニフェストなんてものを作る必要はないですよ。

 すっかり「マニフェスト・ブーム」になった。以前のレポートにも書いたが、党の選挙公約(国民との契約/国家のビジョン)というものは、改革派知事にも、官僚にも、有識者にも、ジャーナリストにも作れない。マニフェストは政治宣言そのものだからだ。政治主導の欠如したマニフェストに、政治家が責任を負えるはずがない。

 昨晩、定例の「マニフェスト勉強会」で提案を一つ。5月のどこかで、一晩、草津温泉に合宿しようぜという自分勝手なアイデアだ。たまには永田町を離れ、名湯につかりながら日本の将来を考えるのも悪くない。カジャ!(韓国語で「行こう!」の意)

 さて、今日は比較的すっきりした日程だった。朝は安全保障問題をめぐる経済同友会との意見交換。その後、ジャパン・タイムスとウォール・ストリート・ジャーナルの記者のインタビューを受ける。午後1時からの外交防衛委員会は、民主党の都合(?)でキャンセルになった。今、午後3時を回ったところだ。

 これから党本部で教育・文化・スポーツ関係団体委員会の会合に顔を出す。マラソン・ランナーでNPOの代表でもある有森裕子さんを招き、スポーツとNGO活動について話を聞くことになっている。あ、委員長だから司会やらないといけないんだった。じゃ、行ってきます。