夜。沼田市の某市会議員後援会の新年会へ向かう途中の車の中で、携帯が鳴った。安倍晋三官房副長官だった。夕方、安倍氏の携帯に残しておいたメッセージに対する折り返しの連絡だった。話の内容は...秘密にしておこう。

 内閣の官房副長官ポストは、以前から将来のニューリーダーを占うポジションと見られてきた。たとえば、政界へのカムバックが取り沙汰されている加藤紘一元幹事長も、官房副長官を経験している。安倍氏の前の副長官は、経世会のホープといわれる額賀福志郎氏(現幹事長代理)だった。もちろん、「衆議院の官房副長官」という意味だ。

 現在、官房副長官は衆参二名いる。が、参議院の副長官は4、5年前、「尊師」とまで揶揄された参院の実力者、村上正邦氏(当時自民党参院幹事長)が「参議院の独自性」という名目で強引に造りあげたポストだ。参議院初代はエースの上杉光弘氏が送り込まれたが、機能としては、最初から衆議院の副長官がメイン。衆参の副長官では役職の実質的な重みも、注目度も全く違う。

 ただし官房副長官は閣僚(いわゆる大臣ポスト)ではない。事実、安倍さんはまだ何の大臣も経験していない。が、マスコミの扱いはまさに大臣級。安倍副長官が、このポストの重みをさらに一段押し上げたことは間違いない。

 拉致問題によって一躍、次の総理候補とまで言われるようになった安倍さんだが、「時の人」になった後も、気さくな人柄は変わらない。マスコミに露出するだけでは、必ずしも国民的人気には結びつかない。最近の「ちょっとした安倍フィーバー」は、安倍氏のこうしたキャラクターを国民がどこかで感じ取っているからだろう。実際、選挙も強い。

 政治家の勝負は長期戦だ。今は波に乗って同世代のライバル達から頭一つ抜け出していても、誰かに追いこされたり、再びリードしたりしながらレースは続いていく。安倍さんは、そのことを十分に分かっている。石原ノブテル大臣や塩崎添久氏、渡辺ヨシミ氏なんかにも、頑張って欲しい。(山本一太も最後尾から必死についていきます!)当選以来、自分にとって同じグループの先輩であり、頼りになる兄貴分である等身大の安倍晋三氏をずっと応援してきた。これからも堂々と王道を歩んでもらいたい。

 さて、本日も朝から地元に入った。午前10時。皇太子夫妻をお招きして開催された冬期国体(スケート・アイスホッケー競技)の開会式に出席した。場所は前橋のぐんまアリーナ。高校生のマーチング・バンドが大活躍だった。

 午後、高崎の会合で挨拶。乾杯の後、立食形式で超満員の会場を足早に回る。地元の人々の意識や反応を知る絶好の機会だ。それにしても、有権者の目は厳しい。一人一人に近づく努力を怠っている政治家、自分の政策や思いをアピールしようという熱意のない国会議員は、けして勝ち残れない。また、生き残る必要もない。

 夕方。大事な会合を一つキャンセルし、急遽、某村にある前政策秘書の実家に向かった。今朝、本人から「昨年から入院していた父が亡くなりました」という連絡があった。高崎から新幹線で上毛高原駅へ移動。そこから車で自宅へ直行、弔問をさせていただいた。

 その後、レポートの最初に書いた沼田市の新年会へ。東京に戻る夜の新幹線は、スキーやスノーボードを持った若いカップルで混み合っていた。考えてみると、スノー・スポーツなんてもう何年もやっていない。そうだ。今年は一回くらいやろう。山本事務所スタッフ&家族(独身者は恋人も参加可能)のスキー旅行。