1月1日付けで、新しい政策秘書を採用した。12月下旬に二日ほど、前任者との打ち合わせのために来てもらったが、彼にとって今日が正式な初仕事の日になった。年末は東京への引っ越しで大変だったようだ。




 夜の新幹線で地元から東京に戻った。議員会館の部屋で待たせていた新しい政策秘書クンと、最初の日程協議をやった。そのままトンカツ屋で一緒に夕食を済ませ、ガッチリ握手をして別れた。ま、あせらずに、あまり肩を張らずにスタートしてもらえばいい。1月中旬に、地元のスタッフを交えた歓迎昼食会?をやろうと思っている。




 さて、本日も朝8時の新幹線で高崎へ。午前10時30分から前橋市で恒例のJA(農協)新年会。昨年に引き続き一時間前にJA本部ビルに入る。一階大ホールでの新年会が始まる前に、8階から順に各階の部署を回って挨拶(ミニ街頭演説)をやった。見知らぬ若者が、「私、○○町の○○(支援者)の息子です」なんて声をかけてくれた。嬉しかった。自分が政治家として生き残っていくための戦略は「組織の枠を超えて個人にアピールする魅力をつける」という一点につきる。そのことを改めて再認識した。




 閉会の言葉を待ってビルを飛び出し、地元紙(上毛新聞)の本社ビルで関係者に挨拶。エレベーターの前で遭遇した社長が、「一太君、あの本(「私が総理になったら」)すごく売れてるらしいね。東京駐在のうちの記者が、どっかでベストセラーになってるって言ってたよ。いやあ、いろいろ元気だなあ」と声をかけてくれた。




 ホンマかいな?!車に乗るや否や出版者の担当者に電話を入れ、事実確認を試みる。担当者のM氏がやや弾んだ声で、「平成14年12月15日—21日の八重洲ブックセンター調べのノンフィクション系週間ベストセラーのランキングで、見事一位になってます。昨日の産経新聞に載ってますからコピー送りますよ。さらに重版になる可能性も出て来ました」と話していた。もちろん、12月のサイン会の成功が大きい。ノブテル大臣、ヨシミさん、塩崎さん、荒井ヒロノシン、大村さん、小池ユリコさん、ありがとうございました。




 売り上げ部数をさらに伸ばせるかどうかは、これからが勝負。それでも京都駅のキヨスク(本屋)に置いてあった(しかも初老の男性が横で手にとってチェックしていた)のには感動した。うーん、やっぱり結構売れてることは間違いないようだ。この本、12月20日に韓国でも最大の出版社から発売された。韓国某新聞社の主催による出版記念パーティーも、1月中にソウルで開催される予定。ここで更なるブーメラン効果を狙いたいと考えている。




 午後12時からの太田市新春懇談会に遅れて入った。広い会場は満杯。乾杯直前のグッドタイミングで挨拶をさせてもらう。ついでに本がベストセラーになった?ことも報告すると、来賓テーブルの向かいに座っていた太田市長が、「ホントかい?買い占めたんじゃないか?」と笑っていた。市長の提唱する「英語教育特区」(構造改革特区)は中央でも話題になっている。さすがはアイデア市長。相変わらず発想力と行動力は抜群だ。時々、「市長はメディア対策がうまいだけ」とやっかむ人がいるが?この指摘は当たっていない。本人に知恵と発信力があるからマスコミが注目する。宣伝して取り上げてくれるほど、マスコミは甘くない。多少の批判を気にせずに突き進む姿勢がいい。尊敬している。政治家主導のマニフェスト(国民との契約)を作る際には、地方分権の分野でゲストに呼びたい人物の一人だ。




 多野郡、藤岡市の一部を回り、高崎市の会合へ。挨拶の中で、日本経済の展望について自説を述べた。「景気回復のための魔法のクスリはない。大事なことは、デフレ対策と不良債件処理を同時に進め(難しいことだが)、金融でも財政でも出来る政策をすべて動員すること。さらに痛みの後にどういう展望があるのかについて、小泉総理が国民に対し、その都度、直接かつ今まで以上に丁寧に説明を繰り返していくこと。それしかない」と演説した。




 夜7時。東京駅からタクシーに乗ったところで携帯が鳴った。地元秘書からの電話だった。うちのスタッフは感度がいい。たとえば、「○○があちこちで山本批判をやっているようです」とか、「こういう噂が立っているようです」とか、選挙区で気になる情報を耳にするとちゃんと報告を上げてくる。山本一太の行動に腹を立てたり、政治活動にクレームをつけている人物が自分にとって大事な人だと思えば、すぐに電話するか、自宅や会社を訪ねてコミュニケーションを図ることにしている。特に選挙で一生懸命応援してくれた人のアドバイスや注意は、真摯に受け止めねばならない。




 ところが、(不思議なもので)地元で自分の悪口を振りまいている人物は大抵、実は(口先ばかりで)選挙で熱心に応援してくれなかったり、ほとんど「頼りにしていない」ジャンルに入る人々だ。(これを読んでいる同僚政治家は、ここで皆、ウンウンとうなずいているに違いない。)そういう自分自身の気持ちが相手にも伝わってしまうのから、余計マズイのかもしれない。そんな場合、いちいち反論したり、悪口を返したりすることはしない。だいたい、そこまでして批判を振りまくというのは、こちらを意識している証拠だ。眼中にない相手にそんなことをするほど、ヒマではない。




 大切なのは、誰が何をどう考えているかを掴んでおくことだ。以前にも書いたように、秘書がそういうギザギザの情報を議員本人に遠慮なく伝えられる雰囲気。これを大切にしなければならないと思う。




 気がつけば午前1時。明日も朝の新幹線に乗る。三杯目の熱い紅茶を飲んで(久々のフレーズでしょう)、寝ることにします。




追伸:

 1月4日のレポートで、「メールマガジンにしようか迷っている」と書いた。早速、読者の方々から、「このレポートは、本人が直接生の声を届けていることに価値がある」「アクセスすることで政治参加している気分になる」といったメルマガ反対のご意見をいただきました。当分の間、このスタイルを続けることにします。