朝8時。ホテルの一階にあるレストランで朝食。白いご飯にキムチとみそ汁というコンビネーションを選んだ。これでエネルギー補給はバッチリだ。




 午前9時過ぎに、ハンナラ党スタッフがロビーに迎えにきてくれた。ソウル市内のハンナラ党本部に直行する。党の最高幹部会議を見学。その後、インターネット選挙に関わる部署をいくつか案内してもらった。




 ブロードバンドが日本の何倍も普及している韓国の選挙では、インターネットが起爆剤になって、何らかの社会現象や政治ブームが生まれることが多い。当然、ネット上のキャンペーンが若者票を大きく左右することになる。ネット選挙を担当するチームの関係者から、韓国のネット選挙の実態や狙いについて説明を聞いた。さらに、現在ブロードバンドで流されている野党ハンナラ党と与党民主党の大統領選挙の映像キャンペーン(コマーシャル映像)を、その場で見せてもらった。実に面白かった。




 ハンナラ党のCM(コマーシャル)は、バスの停留所のシーンから始まる。正しいバス(ハンナラ党)に乗らなければ、取り返しのつかない事故を起こすというメッセージだった。ストーリー構成といい、鮮明な映像といい、かなり上手く出来ている。相当オカネをかけているなという感じ。対する与党民主党CMのコンセプトは、涙(なみだ)。ストーリーはイメージの積み重ねで構成されていた。ノ・ムヒョン候補が涙を流す場面が、何度か象徴的に映し出される。一人一人の感性に訴えようという作戦だ。ううむ。どっちの作品の出来がいいかと聞かれれば、躊躇なくハンナラ党のCMと答えるだろう。でも、どちらのCMがより有権者にアピールするかは、正直言って分からない。詩集が日本の何倍も売れる国民性ですからね。




 昼は、ハンナラ党の若手議員やビジネスマン等と韓定食の店へ。午後はいったんホテルに戻り、人参茶を飲みながら休憩した。夕方。やはりハンナラ党の若手議員で友人のパク・ジン氏とホテルの喫茶店で再会する。今年の補選で当選したばかりの期待のホープだ。弁護士にして政治学博士。英語も日本語もほぼ完璧にこなす。将来、韓国を背負って立つ政治家の一人になることは間違いない。




 午後4時30分にホテルを出発。インチョン空港に向かった。一泊二日という短い滞在だったが、中身の濃い出張だった。何と言っても、イ・ヘチャン大統領候補と会えたのが大きかった。「一太さん、次は青瓦台(大統領府)で、イ・ヘチャン大統領に会えるといいですよね。」小林議員のこんな言葉にうなずきながら、東京行きの飛行機に乗り込んだ。