昼。文化祭(三田祭)で賑わう慶応大学三田キャンパスへ。慶大弁論部主催の「パネル・ディスカッション」に参加した。テーマは、TVポリティクスの時代における政治とメディアの役割について。ゲストとして招かれたメンバーは、フジTV「報道2001」の黒岩キャスター、民主党の原口衆院議員、そして山本一太の3名だった。




 「政治とメディアのパネル、○○時から始まります!」「山本さんや原口さんが来ます!」「無料でーす!」会場の外で叫んでいた学生スタッフの苦労が実ったのか、予想を超える数の参加者が集まった。政治とメディアの歴史、諸外国のシステム等に関する学生達の問題提起も、しっかりしていた。ちょっと時間が足りなかったが、有意義な議論だった。弁論部の皆さん、セミナーの成功、おめでとう!ご苦労様でした。




 いいか悪いかは別として、マスコミ、特にTVの影響力は絶大だ。この時代、映像メディアの前で分かりやすく自説を展開出来ない政治家は、けしてリーダーになれない。メディアを活用する戦略を持たない国会議員は、だいたい選挙を勝ち抜けないだろう。反面、過度のTVメディア依存は避けねばならない。TVポリティクス時代のメディアと政治家の望ましいあり方は、ひとことで言うと、メディアの中で政治家がその能力を鍛えられ、ふるいにかけられる状態だと思う。




 パネル終了後、4名の学生スタッフを誘ってキャンパス近くのケンタッキー・フライドチキンに行く。トリと紅茶をツマミに30分ほど話をした。彼等がパネルの中で行った具体的な提言には賛同出来る部分が多かった。特に、現行の放送法が規定するメディアの「政治的中立」という原則(いわゆるフェアネス・ドクトリン)を撤廃することは大賛成だ。今度、改めてゆっくり議論しましょう。




 それにしても、こんなに真面目に政治問題に取り組んでいる(こんなカタイ話を文化祭のイベントに乗せようとする)サークルがあるなんて、(母校ではないが)さすが慶応大学。大学祭と言えば、東大の5月祭にも「日韓関係のシンポジウム」に参加させてもらった。こっちもいい企画だったなあ。昨年11月から半年間続いたセミナー「新世代総理宣言」でも、20名以上の大学生や大学院生にボランティアスタッフとして企画を支えてもらった。漫画「ワンピース」の存在も教えてもらったし、打ち上げでは「クラブ」にも連れて行ってもらった。知的だし、礼儀正しいし、明るいし...。日本の若者も捨てたもんじゃあない!




 いつの日か(人生のもっと後半で)、自分の政治家としての経験や哲学といったものを次世代(学生達)に伝える仕事が出来たらと考えている。ケンタッキーの前の道路でタクシーを拾った。「教える」という4つ目の夢は、しっかり胸の「ドリーム・ポケット」にしまっておこう。