亡くなった両親は、いろいろな宝物を残してくれた。ほとんどは精神的な「無形の財産」だ。その中には「負の遺産」もある。宝物と一緒に、二人が残した荷物も引き取った。落さないようにしっかり抱え、真っ直ぐ歩いていこう。




 政治家になってからずっと、能力以上の仕事をこなそうと悪戦苦闘してきた。肉体的にも精神的にも相当の負担がかかっている。週末も休めない。恒常的に睡眠不足の状態だ。朝起きるのが、かなり辛い日もある。




 永田町では連日、熾烈な競争の中にいる。選挙区の会合も演説も、一つ一つが真剣勝負だ。これだけのプレッシャーにさらされながら、でも、毎日が楽しい。政治に対する情熱は全く衰えない。この国の未来を創る作業に参画出来る幸運を噛み締めている。こんなにチャレンジングでエキサイティングな職業が、他にあるだろうか。




 だから、政治家になって本当に良かったと思っている。もちろん、世の中に確かなものなど一つもない。明日、政治生命が無くなってもけして後悔することのないよう、一日一日を全力で走り抜けたい。




 時々、自分という人間の価値について考える。正直言って、政治家でなければ絶対つきあいたくないと思う面々もいる。国会議員という冠が外れても、自分の周りの人間は今までどおりのつきあいをしてくれるだろうか。政治家という肩書きが無くなった時、山本一太という人間に、どれだけの競争力と発信力があるだろうか。その時点で、もう一度人生をリセット出来る能力と魅力が、果たして今の自分に備わっているだろうか。常にそうした緊張感を持ちながら、自分自身を高めていきたいと思う。ODA (政府開発援助)という切り札が使えなくなった時、日本外交の真価が試されるように。




 本日も終日、選挙区を動き回った。明日一日頑張れば、葬儀のお礼回りもなんとか一段落しそうだ。夜は東京でいくつかの会合に顔を出す予定。自民・民主の若手議員による「政治とカネの問題を考える勉強会」の集まりも久々のこと。いよいよ本格的に会の活動を広げていくことになる。それにしても、今週は忙しくなりそうだ。