本日の任務は終了。仕事をやりながら体調を直し、無事に帰還した。太田市では久々に後援会長宅を訪ねる。群馬県を代表する経済人の一人。最近の政治や経済の状況について意見を交わした。「一太さん、外交もいいが、金融・経済でも専門家になってほしい。TVで活躍を見るのは嬉しい」と話していた。

 さて、政務官24名の人事が発表された。嬉しかったのは大村秀章氏の内閣府政務官就任。電話では、「なんか細田大臣を助けるみたいなんだけど。ITをやれということみたいだ。自分にとっては、新しい分野だね。」と話していた。いいじゃない。政策通としての幅をますます広げ、(いろいろな意味で)「ニュー大村」として再登場してほしい。来週の夜、どっかで一杯やろうということになった。ちなみに、山本一太はウーロン茶です。

 今回の小泉内閣の改造で注目すべきは、(派閥の推薦を無視して)7つのポストを変えたという大胆な人事だけではない。小泉総理が改造にあたって、内閣の「基本方針」を掲げたこと。その上で改めて全閣僚と副大臣、政務官、そして党3役にこの方針に賛同することを求めた上で新内閣をスタートさせたことだ。そう、この方針は正式に了承された。そのことを、ぜひ忘れないで欲しい。

 マスコミ各社は、この事実をあまり大きく報道しなかった。これが不思議でしょうがない。だって、基本方針の内容はかなり踏み込んだものだ。自分の記憶が正しければ、主なポイントは次の4つ。

(1)政府と日銀は協力してデフレの克服を図り...2004年までに不良債権処理を終了させる

(2)郵政公社は民営化への第一歩とする

(3)道路関係4公団の民営化にあたっては、民営化推進委員会の最終答申を尊重する

(4)日朝国交正常化交渉を再開する。

 2004年に不良債権問題を終結させるというのは、それが出来なければ政権として責任を取るということに他ならない。郵政事業民営化についても、道路公団民営化の方向性についても、党幹部と閣僚は総理と同じ方針を取ることを約束して任命されたということだ。小泉改革は、間もなく郵政や道路の問題で一つの正念場を迎えることになる。その時、この基本方針は小泉総理にとって力強い「大義名分」になるだろう。皆、この意味を本当に分かっているだろうか。政治家が約束を忘れても、国民には覚えていてもらう必要がある。

 誰かが言った。「一太さんの理屈は分かる。でも、もしこの方針に従わない閣僚がいたら、総理がクビにするってことになる。そんなこと出来るかなあ?」もちろん、そういうことでしょう。総理に賛同出来ないと言って辞任する閣僚や党幹部が出たとしても、小泉さんはけして止めないだろう。ポストを欲しがっている政治家なんて山ほどいるのだから。原理・原則を重んじない政治を、ここらで変えてはどうだろうか。