鬼石町の会場に到着。控え室で冷たいお茶を飲み、いざ講演へ。テーマは「構造改革と景気対策」だった。最初に、「実は高熱の状態です。途中で倒れたら、救急車で病院に連れて行ってください」という言葉で笑いを取る。同時に、身体の状態を理解してもらった。




 小泉内閣の改造から、不良債権処理、デフレ対策、目指すべき国家ビジョンまで約一時間熱弁を振るった。しゃべり始めてしばらくすると額から大粒の汗。見かねた出席者の一人がおしぼりをくれた。最初は恐らく39度以上あった熱が、講演が終わった頃には38度まで下がっていた。思ったとおり、演説でアドレナリンが出ると免疫が高まる。これが政治家のDNAというものだ。東京に戻る新幹線の中で体温計をくわえた。数字は37、5度を表示していた。




 東京駅から某ホテルのレストランへ直行し、政策秘書候補との面接(8人目)に臨む。あれ、入り口にずいぶん新聞記者がいるぞ。なんだろうと思ったら、小泉総理と竹中大臣が7、8人のスタッフを引き連れて懇談していた。




 ささっと近づき、「総理、内閣改造ご苦労様でした。中堅・若手は大いに評価してます。これからも応援しますから、ぜひ頑張ってください」と言うと、「お、ここで何してたんだ。」「ハイ、ここで公募している政策秘書の面接をしているんです。」「へーそうか。終わったら、ここに来いよ」「分かりました。」てなことで、総理&竹中大臣とコーヒーを飲みながら会話を交わすという思わぬ幸運に恵まれた。




 生臭い話は一切無し。総理の海外出張の話で盛り上がった。リラックスした、いい雰囲気だった。ここのところ、外遊続きで疲れもたまっているに違いない。それでも、「それじゃあ、これで」と言い残して爽やかに席を立った総理の後ろ姿は、相変わらずエネルギッシュだった。