朝。TVのニュースで、ニューヨークの国連本部をさっそうと闊歩する小泉総理の姿が映し出された。昨年は、9.11のために断念したが、毎年、国連総会が行われるこの時期には、必ずニューヨークを訪れていた。歴代総理と同様、小泉さんも国連日本人スタッフを激励する場を設けてくれたようだ。

 森総理が2000年のミレ二ウム国連総会に出席した際は、勝手補佐官として(勝手に)現地に押しかけ、邦人スタッフとの懇談をアレンジしたことを思い出す。いつの日か、新世代総理の側近として国連総会に正式に同行し、国連機関の友人たちと言葉を交わす場面があるだろうか。ちなみに、私の妻も現職の国連職員(国連世界食糧計画、いわゆるWFPの日本路務所代表)です。

 本日は高崎を中心に会社関係を回り、景気の現状や小泉改革への評価についてナマの声を聞いた。最も印象的だったのは、ある優良建設会社社長との会話。地域の産業や雇用に対する建設業界の貢献が十分理解されていないは残念と前置きした上で、「建設業界はやはり数が多すぎる。適正規模に戻すためは、ある程度の淘汰のプロセスは避けて通れない。競争は苦しいが、そうなればきちんとした技術と実績を持ったウチのような会社のチャンスは広がる。ペーパー会社みたいなところがなくなっていけば、実業で勝負しているところはきっと生き残れる」と話していた。

 「仕事を取るのに、バッジ(政治家)の力は極力借りないように心がけている」とも言っていた。派閥や系列は違うはずなのに、「最近、よくマスコミで発言してますね。応援している人が活躍するのを見るのは嬉しいもんだ」と励ましてくれた。

 企業にも透明性とアカウンタビリティー(説明責任)が求められる競争の時代。会社自体の競争力ではなく、政治の力に頼って仕事を取ろうとする会社は生き残れない。そして、旧来の口利きや利権誘導によって選挙を勝ち抜こうとする政治家は、淘汰される運命にある。

追伸:

先日、久々に竹中平蔵経済担当大臣を訪ねた。一時間近く話をした。内容は書かない。が、小泉総理が竹中氏を大臣に抜擢し、さらにアドバイザーとして大きな信頼を寄せていることは正しい選択だと最初から確信を持っている。

 よく、バッジのない(責任を取れない)大臣に何が出来るかという批判があるが、これはアンフェアだ。選挙で選ばれた政治家でなければ分からないこともあるが、逆にバッジをつけているから出来ないこともある。竹中大臣は有識者(傍観者)から閣僚(当事者)になった。バッジはなくても、「政治家」であることは間違いない。信念を持って頑張ってほしいと思う。