つい先ほど、小泉総理が来月、日本の総理として初めて北朝鮮を訪問するという衝撃的なニュースが飛び込んできた。すぐに安倍官房副長官の携帯に電話を入れる。安倍さんは、「その件については、午後4時から正式な記者発表があるから...」としか言わなかったが、訪朝にはやや慎重な見方をしているようだった。




 うーん。びっくりした。知っていたのは外務省の数名の幹部と、ごく少数の側近だけだったに違いない。まあ、今月ピョンヤンで開かれた日朝局長級会談の前にも、7月の日朝外相会談があったし、公式、非公式の折衝も続けられてきた。それを考えれば、けしてあり得ない話ではなかったかもしれない。




 バタバタと情報収集をしているうちに、小泉総理の官邸でのインタビューの映像が流れた。「一年前くらいから水面下でいろいろと話し合いをやってきた。事態を打開するために訪朝を決意した」とやや興奮気味に話していた。




 日本の総理が国交のない北朝鮮を史上初めて訪問し、首脳会談に臨む。大きな賭けであることは間違いない。政治的なリスクは十分承知の上だろう。トップ会談で暗礁に乗り上げている日朝間の諸問題、特に拉致問題解決の糸口をつかみたいという小泉首相の決意の表れだと思う。この英断を支持したい。




 日本と北朝鮮の間には、拉致問題や核開発疑惑、ミサイル、不審船といった様々な難問が横たわっている。「拉致問題の進展なくして、国交正常化はあり得ない」という日本政府の立場は当然だと思う。総理がピョンヤン訪問を決意するにあたり、北朝鮮側から拉致についてどのような約束や譲歩を約束されているのかは、分からない。時間が経つにしたがって、そこらへんの状況も少しずつ明らかになっていくだろうか。不確実な要素があることは間違いない。が、世論のない北朝鮮との懸案を一歩でも前に進めるためには、金成日に直接会って、交渉するしかない。




 一回の首脳会談ですべてが解決するような過度の期待をかけるのはアンフェアだと思う。それでも、ピョンヤンに乗りこむからには、政治生命を賭けるくらいの覚悟で、この歴史的な外交交渉にタフに、したたかに臨んでほしい。




 韓国の金大中政権は、予想通り小泉訪朝支持をいち早く表明した。国会のムードはどうだろうか。これから与野党の有力若手有力議員数名に電話連絡を取り、彼等の意見を直接聞いてみるつもりだ。結果は、改めてこのレポートで報告します。