携帯電話の着信記録に「通知不可能」という文字。メッセージをチェックすると、思ったとおり、英国BBC放送(ワールド・ニュース・プログラム)からの国際電話だった。日本と北朝鮮の外交交渉について、インタビューしたいとのことだった。




 外務政務次官をやった頃からだったと思う。世界中で流されているこの有名なラジオ・プログラムから、月に数回のペースで電話がかかってくるようになった。日米首脳会談や日韓の教科書問題、有事法制にいたるまで、特に外交・安保に関わる事件が起ると、必ずといっていいほど携帯が鳴る。このラジオ・ニュース番組の出演回数は、(日本の政治家の中では)恐らく山本一太か、河野太郎氏がトップだろう。




 インタビューは録音の時もあれば、生放送の時もある。また、時差の関係で、早朝か、夜10時以降というのが多い。よっぽどの場合を除いて、ほとんど応じている。当然、日本関係のニュースをやる際には、手軽にインタビュー出来るヤマモトという名前と携帯の番号が、BBC側にしっかりインプットされることになる。




 つたない語学力?を駆使して、意地悪な質問を切り返す。結構苦労することもあるが、このBBCラジオ・プログラムとの信頼関係は大切にしたい。そう言えば、昨年の選挙の際には、BBCの東京支局長もカメラ・クルーを連れて取材に来てくれた。TVニュースを見た国連機関の元上司が電話をくれたのを思い出す。




 40歳を過ぎて新世代というのは自分でもおこがましいと思う。が、一般的に言って、新世代の政治家が旧世代に勝っているポイントの一つが、外への発信力、すなわち国際感覚だ。新世代総理宣言に関する本の出版にあたっては、外国人特派員クラブでも本格的な記者発表をやりたいと考えている。場合によっては、営業を兼ねて、ワシントンやロンドンにも出かけるつもりだ。




 Old Guards(旧世代)は強力だ。世代交代を実現するためには、ニュー・ブリード(新人類)の強みをあらゆる面で活用しなければならない。




 それにしても、ラジオには縁がある。約7ヶ月間、パーソナリティーを務めたセミナー&ラジオ「新世代総理宣言」のゲストにもなってくれた茂木衆院議員がしきりに言っていた。「一太さん、政治家を辞めても、きっとラジオのDJで食べていけるよ!」お世辞とは分かっているが、ちょっとばかし本気にしちゃいそうだ。