午前10時より、国会対策委員会全体会議。昼をはさんだ本会議で、井上裕前参院議長の辞職願いが了承された。鈴木宗男議員や井上前議長の証人喚問問題をめぐり与野党が対立。本会議で場内協議を試みるも、外交防衛委員会の与野党非公式協議(理事懇談会)はセット出来なかった。状況を見きわめながら、来週の月曜日に仕切り直しをすることになった。




 これから参議院の外交防衛委員会で審議を予定している条約は、放っておけばすべて「自然成立」することになる。改めて説明すると、衆議院の参議院に対する優越性の最も代表的なものは、予算、条約、そして首班(総理)指名。衆院から参院に送られてくる条約は、衆議院で可決した日から(参院の審議にかかわりなく)30日で自動的に成立する(自然成立)というわけだ。




 戦後、衆議院から送られてきた条約が参議院で自然成立したケースは、25年ほど前に一件(日韓大陸棚条約)あるだけだそうだ。与野党ともに「参院のメンツ」にかけて自然成立はさせないという暗黙の合意はあるものの、各条約の自然成立のデッドラインは容赦なく迫ってくる。各党それぞれ立場があるのは分かるが、委員会のスケジュール調整なんてもう少し効率的に出来ないもんだろうか。ため息でちゃうよ、まったく。




 だいたい、自然成立することが決まっている条約を参議院で審議すること自体、あまり意味があるとも思えない。参議院の独自性というなら、いっそのこと参院の予算委員会は廃止して、かわりに決算委員会でやればいい。衆議院と違う議論をやらない限り、カーボンコピー批判(参院無用論)はいつまでたっても無くならないだろう。それはともかく、今そこにある条約の自然成立を回避することには、全力を尽くさねばならない。




 明日の委員会が開けない状況を再確認し、そのまま国会対策の部屋を出た。午後3時40分の新幹線で地元に向かう。午後6時から、5月6日の国政レポート「男の中の男」にも書いた某企業社長のお通夜(桐生市)に参列。神道式の通夜は簡素で、すっきりしたものだった。いかにも故人らしいと思った。




 東京に戻ったのは夜10時前。軽い夕食を取って、TVのニュースをチェックする。与野党の調整はついていない。明日はちょっとだけ余裕のある日程になりそうだ。