午前10時から行われた参院外交防衛委員会は、北朝鮮の日本人拉致問題についての質疑だった。参考人として、二組の拉致被害者家族(横田めぐみさんと有本恵子さんのご両親)を招き、率直な心情を吐露してもらう。拉致被害者家族の方々が、国会の場で正式に発言するのは、これが初めてのことになる。




 「海に行って赤いブイを見ると、ああ、めぐみのランドセルではないかと思い、暗い海辺で泣きながら立ちつくしたこともありました。」という横田めぐみさんのおかあさんの悲痛な言葉には、本当に胸が痛んだ。この25年間の苦しみは、筆舌に尽くしがたいものがあるだろう。正式な国交のない北朝鮮との交渉は、難航を極めてきた。それでも粘り強く、毅然とした態度で、この「国家主権にかかわる」問題に取り組んでいかねばならない。そのことを、与野党の枠組みをこえて確認する機会になったことは間違いない。




 夕方、M8(国家戦略本部:若手座長グループ)の打ち合わせ。国家戦略本部とM8の今後の運営について議論を行った。党内に大きな物議を醸した「政治決定プロセス」提言は、すでに党の三本部(国家戦略本部、行政改革本部、政治改革本部)の合同会議に上がり、実質的にM8の手を離れた。政と官の関係については、与党の協議会もスタートしたようだ。そろそろ、原点に戻って、M8メンバー(各座長)による残りの7つの分野の提言を完成させることに力を注いだらどうか、という意見を述べた。自ら担当する「経済構造改革」ペーパーについても、早速作業を再開しなければならない。




 午後6時。M8のミーティングを終え、国会対策の部屋でこのレポートをしたためている。ところで、今晩のセミナー「新世代総理宣言」のゲストは、武見敬三参院議員。現在、参議院の外交防衛委員長を務める。この委員長を、外交防衛担当の国会対策副委員長、外交防衛委員会の委員(自民党理事)という立場から、しっかり支えるのが山本一太の役目でもある。




 国際政治学者にして、医療福祉分野の専門家。一時、TV(CNN)のキャスターとしても活躍していた。このエッセイでも何度か言及したが、ガラッパチで侠気のあるチャーミングな人物。ガキ大将のような武見さんから、どんな国家ビジョン、外交哲学が飛び出すだろうか。




新世代総理宣言のページはこちら

http://www.academyhills.com/011101/




追伸:

 今晩は、井上裕参院議長の問題をめぐる与野党の「かけひき」が、夜遅くまで続きそうだ。場合によってはセミナーの後で、参議院に戻ってこなければい事態になるかもしれない。