朝、「サンデープロジェクト」に出演するため、TV朝日のスタジオへ。考えてみると、これで三週連続。今回のテーマは、発表されたばかりの自民党国家戦略本部の提言「政治決定プロセス」についてだった。渡辺喜美氏、根本匠氏、河野太郎氏という三人の衆院議員ブラス山本一太参院議員という4名で討論コーナーに参加した。




 国家戦略本部の本部長は小泉総理。役員には党幹事長を含む重鎮がズラッと並ぶ。事務総長が保岡興治氏、事務局長が谷垣貞一氏という布陣。この本部の下に「ビジョン策定委員会」という実際の手足となる組織がある。




 国家戦略本部の目的は、各分野における日本の国家戦略をまとめ、総裁/総理に提言すること。ビジョン策定委員会(約20名のコア・メンバー)の下に、異なった分野を担当する8人の座長(若手議員)が置かれ、それぞれ、「政治決定プロセス」、「経済構造改革」、「経済危機管理」、「外交安保」、「地方分権」等のテーマについて、それぞれ総理への提言をまとめあげる任務を与えられた。ちなみに、8人のチームリーダー(座長)は、塩崎添久氏(衆)、根本匠氏(衆)、渡辺喜美氏(衆)、林芳正氏(参)、佐々木知子氏(参)、世耕弘成氏(参)、近藤剛氏(参)、山本一太というメンバー。党内では政策通と呼ばれる面々だ。




 昨年末から、ビジョン策定委員会やM8(8人の座長会議)の場で毎週、数時間の議論を積み重ねてきた。総理の意向を受けて?突如出現した緊急アピール案の内容に、政と官の接触を制限することが盛り込まれていたとか、政調会長をはじめとする党幹部に事前の説明もなく勝手に官邸に行き、記者発表をしたとかで、党内ではずいぶん反発があったようだ。そこらへんのやり方は、上の方が判断してやったことで、我々の預かり知らないところだ。少なくとも本体の「政治決定プロセス」というペーパー(塩崎座長)には、日本の政治システムを改革するための様々な処方せんが、きちんと示されていると思う。




 番組の最後のコーナーで、提言の目玉である「与党の事前審査の撤廃」や、官僚支配のシンボルのようになっている「事務次官会議の廃止」、派閥均衡や年功序列の人事を改めるための「新しい人事評価システムの確立」等を中心に活発な議論を交わした。番組終了直前に、司会を務める紳助氏からメモが回ってきた。「最後のコメントで、ユースケ・サンタマリアに似ていると言ってもいいか」という内容。「別にいーですよ」と答えたが、結局、最後の5秒間を使って(紳助氏と二人で並んだ状態で)、「山本さん、自民党を本当に壊せますか?」(紳助)「今日集まった仲間と一緒にぶっ壊して、作りかえます!」(一太)というやりとりに落ち着いた。そう。変われなければ、自民党に未来はない。