パソコンの故障は予想以上に深刻。内部の接続に問題があるとのことで、修理に出しても相当の時間とお金がかかることが判明した。考えた末、新しく買いかえることを決断する。明日の昼過ぎには新たにセットアップされたパソコン(故障の少ないモデル)が届く予定だ。それまでは、ファックスを使ってエッセイの原稿を送らねばならない。あーあ、毎晩ソウルのホテルで書いた訪韓レポート、もったいなかったなあ。新しいパソコンが来たら、改めて日々のエピソードを思い出しながら韓国出張を「復元」したいと思う。




 さて、本日も雑誌のインタビューや党青年局役員会、国家戦略本部の会合、国際問題調査会等のスケジュールをこなす。午後2時30分からの「新世紀の安保を確立する若手議員の会」はジャーナリストの船橋洋一氏を招いての意見交換。ぜひ出席したいと思っていたが、自民党の理事を務める国際問題調査会とバッティングしたために断念。もっとも、その国際問題調査会の最中も、国会対策の仕事や別件の用事で委員会の部屋を出たり入ったり。イスラムの専門家である二人の参考人の意見をきちんと聞けなかったのは残念だった。




 午後4時から、党本部で国家戦略本部の会合。歴史学者の川勝平太氏が「21世紀の日本人」というテーマで講演。それを受けて活発な議論が行われた。それにしても、情熱に溢れた説得力のあるプレゼンテーション(意見表明)に感銘。やっぱりこの人、大変な論客だ。「富国有徳の国を目指せ」という川勝氏の主張には共鳴できる点が多い。ただし、「江戸時代の日本人にリスクやベンチャーの意識があったか」という山本一太の質問に対する答えは不明確。不満が残った。




 午後5時30分から、議員会館を訪ねてきたパラデュール氏(フランスの元首相)と会う。なんでこんな大物が自分に会いに来るのかよく分からなかったが、なんとも気さくな人物。日本の外交、安全保障の問題について30分ほど議論した。「日本は世界第2番目の経済大国。古いシステムを脱却してもっと積極的に国際社会に貢献する必要がある」と力説していた。帰り際に、3枚目のオリジナルCDアルバム「見せかけのデモクラシー」をプレゼントすると、「メルシー!(ありがとう!)後で聴いてみるよ」とニッコリしていた。




 午後7時。本日2人目のVIPとの夕食会に向かう。スウェーデン大使館のアレンジで、スウェーデン野党(Moderate Party)の党首であるラングレン氏と会った。ラングレン党首は現在55歳。90年代の初めにスウェーデンの金融財政大臣としてバブル崩壊後の不良債権問題処理に辣腕を振るったことで知られる。外交や安全保障、経済問題から音楽(スウェーデン出身のグループ「アバ」)やスポーツ(スウェーデンの生んだ名スキーヤー、英雄ステンマルク)にいたるまで様々な話題で盛りあがった。英語力もユーモアセンスも抜群。知的で洗練された紳士だった。日本にはどうしてこういう政治家がいないんだろう。




 韓国の若手議員(与党新千年民主党のキム ミンソク氏)からのメッセージが携帯電話に残されていたことに気づく。夕方に二回ほど国際電話をかけてくれたようだ。ミンソクは数ヶ月後に行われるソウル市長選の与党の候補者レースへの参加を正式に発表したばかり。実は午後から何回も本人の携帯に連絡を試みているが、行き違いの状態が続いている。まずいことに二人ともあまり細かいことを気にしないラテン系。午前12時を回った。ペンをおいて、もう一度トライしてみます。




追伸:

明日(木)発売の週間文春に、私が書いた外務省改革についての記事が掲載されることになりました。時間があったらぜひご一読下さい。