本日は朝から盛りだくさんのメニュー。朝の外交調査会(党本部)では、アジア経済研究所の主任研究員(水野順子氏)を招き、韓国の経済情勢について勉強する。一部しか聞けなかったのは残念。「創造的な破壊から復活を果した」韓国経済のモデルについては、改めて検証したいと考えている。




 午前10時に外務省分析第一課長から韓国情勢について情報交換。そのまま党本部にとって返し、党の「デフレ対策・財務金融関係合同会議」に出席。議題は先日閉幕したG7(先進国蔵相会議)の報告、国際金融情勢等について。部屋に入ると、自民党金融族のベテランがずらりと顔をそろえていた。財務省国際局長からの説明を聴取し、議論。日本銀行が「外債を購入できるかどうか」について政府側と自民党議員の間で論議が交わされた。




 日銀の政策決定会合でも度々話題になっているテーマのようだ。「市場で売って為替に影響を与えるようだと、為替政策となりこれは財務省の権限だから出来ない。これ以外の領域なら、という話になるがそれがどういうケースなのか分からない」といったわけの分からない話。渡辺ヨシミ氏が以前内閣法制局に確かめたところ、法的には可能という答えだったようだ。「実体経済そのものの活性化が必要なことは言うまでもないが、短期的にはやはり為替政策によって景気を刺激することも考えるべきではないか」という長老議員の言葉が出席者のムードを代弁していたように思う。




 12時から内閣部会に。経済・財政諮問会議の審議状況についての報告を受ける。日本経済がさらなる危険信号を発する中で、「デフレ対策」についての認識、比重が高まりつつあることは間違いない。




 午後1時から国際問題調査会。三人の有識者(参考人)を招致し、午後4時30分まで「イスラム世界と国際政治」について意見交換をする。パレスチナ問題解決の糸口は依然見つからない。クリントン大統領の仲介で実現した劇的なラビン首相とアラファト議長の会談(オスロ合意)は今でも鮮烈に胸に焼きついているのだが…。イスラエル人とパレスチナ人が平和に共存できる日はいつくるのだろうか。




 途中40分ほど調査会を抜け出し、参院自民党の国対、会館事務所、議員会長室等を飛び回った。2月下旬の韓国ミッションには4、5名の若手参院議員が参加する。訪韓チームを代表し、参院国会対策委員長、幹事長、議員会長、議院運営委員長から明日までに許可をもらう必要があった。鴻池国対委員長、矢野国会対策筆頭副委員長は議員会館で、青木参院幹事長はTBRビルの竹下・青木事務所で、竹山議員会長は党本部でつかまえることが出来た。地元入りしている山崎議運委員長には明日話を持っていくことに。国会開会中ということで、土、日の出張でもいちいち執行部の了解を得なければならない。結構、面倒臭いもんだ。




 午後5時過ぎから、電話で訪韓の打ち合わせをする。日韓関係についてのアンケート調査(超党派)は15日までに回収することになった。午後6時からキャピトル東急ホテルB2階で開催された参院自民党と経団連の懇親会に参加。今井経団連会長と立ち話をする。「山本さん、米国抜きで京都議定書(気候変動枠組み条約)を進めることは国益にかなわない。経済界は反対。慎重にお願いしますよ!」「はあ。プラス・マイナスについて、もう一度よく検討してみます!」




 午後7時半。同じホテルの一つ上の階にある中華料理の店に移動し、国連本部の日本人スタッフ(幹部)との夕食会へ。日本の国連に対する分担金は米国に次ぐ世界第二位。こうした財政的貢献に見合うだけの日本人職員の数及び幹部ポストを確保することも、新たにスタートさせる国連貢献議員連盟の目的の一つになっている。




 夜9時30分、荒井広幸衆院議員との会合へ向かう。場所は、6年前の初当選の直後、政治家としてはちょっとだけ先輩の荒井さん(同い年)に連れて行ってもらった料亭の一室。二人でこうしてゆっくり会うのは2年ぶりのこと。あまり知られていないが、実はとても「仲良し」なのだ。




 忘れもしないその6年前。小泉純一郎氏(現総理)にとっての最初の自民党総裁選挙があった。相手は橋本龍太郎氏(元総理)。当選して2ヶ月で右も左もよく分からない状況の中で、小泉応援団に無理やり引き込まれることになった。小泉氏は「郵政事業民営化」論者。自民党内の抵抗や特定郵便局長からのプレッシャーの下で30人の推薦人集めは難攻を極めた。その中で、少数精鋭の小泉チームの参謀として活躍し、夜中過ぎまで推薦人集めに奔走した7人の侍の一人が荒井衆院議員だった。小泉応援団の企画担当として連日遅くまで二人で作戦を練った。青山のレストラン「セラン」のテラスで小泉純一郎VS若手議員のスパゲッティ-懇談を演出したことなんて、ホンと懐かしい。




 その後、荒井氏は様々な事情で森派を出ることになる。最近は江藤・亀井派の知恵袋として、また「抵抗勢力ブラザース」の一人(ほんのちょっと悪役)としてマスコミから引っ張りだこの感があるが、とにかく国会議員として存在感を示していることが嬉しい。荒井広幸は「優しさ」を持った政治家だ。だから、亀井静香氏にくっついている理由は分かるような気がする。荒井さんの求める国家像や社会の姿というのは一つの選択肢だろう。でも、それは山本一太のイメージとは残念ながら明らかに異なっている。荒井氏らの目指す方向は、結局、問題を先送りし、「皆で貧しく、小さくなっていく」道に他ならないからだ。(少なくとも自分はそう思う。)




 政治家としての哲学や考え方は違っても、新井広幸氏に対する根本の思いは変わらない。彼が小泉純一郎という政治家を実はとても愛していることも分かっている。今後の政局の中で対立したり、戦ったりすることもあると思うが、(今までもそうだったように)これからも心の盟友として、良きライバルとしてお互いに意識しながら切磋琢磨していくことになるだろう。荒井広幸と山本一太の違いは、一方は永田町のプロ、一方は素人であること。それが二人の強みであり、弱みでもある。




 久々に会った勢いで、7月に「山本&荒井一座」でプロジェクトをやることを約束。シアター・アップルかなんかを借り切って3日間の新しい「政治パフォーマンス」の公演を行う予定だ。このコンビなら他の政治家にはけして出来ない発信が出来ると思いませんか。