田中外相の後任人事が難航しているようだ。アフガ二スタン復興支援国会議の議長を務めた緒方貞子前国連難民高等弁務官が有力な後継候補として早速浮上。総理からも熱いラブコールが送られているらしい。




 緒方外務大臣なら、外相更迭のダメージコントロールをしなければならない小泉内閣にとっては最高のシナリオだ。緒方さん、本当に受けるかなあ??官房機密費や今回の外務省の対応等をめぐって、緒方さんが野党から攻められる姿を見るのは忍びない気がする。




 緒方さんがダメだとしたら…。小泉総理の外交アドバイザーである外交評論家の岡本幸夫氏をという声も聞こえてくる。でも、外務省出身だしなあ。民間を見回しても、小泉内閣の外相にはまるような人はなかなか見つからない。外交の知識や経験はあったとしても、野党の厳しい追及をかわす政治的センスがなければ国会や委員会の「議論」を乗り切れないだろう。「答弁」で立ち往生、国会空転という状況になりかねない。




 河村前外相のような「大臣経験者」を持ってくるという手堅いオプションもあるが、この「混乱」を収める人事としてはインパクトが弱い気がする。加藤紘一外相は例のスキャンダルがなければ有力な選択肢の一つだったと思うが、不可能。橋本元総理を、という案もあるらしい。実力、見識とも申し分ないが、橋本外務大臣ということになれば、世間は「小泉内閣がいよいよ経世会の力に屈した」と見るだろう。




 若手政治家を抜擢するといっても…ちょっと考えつかない。もし私が総理だったら、安倍官房副長官を外務大臣に任命しちゃうところだが、森派内の雰囲気を考えると実現は難しそうだ。いっそのこと、小泉総理がずっと外相を兼任すればいいのではという意見もあるが、物理的にムリ。今後の政治日程を考えると、ここ数日で決まるものと思うが、全く予想がつかない。




 昨日から今日にかけ、各マスコミが電話調査等を通じて行った「緊急世論調査」によれば、小泉内閣の支持率は激減しているようだ。もともと8割の支持率ということ自体が異常?だった。今回の外相更迭の決断が、小泉総理にとって一つの正念場であることは間違いない。それでも、支持率は(80%というレベルには戻らなくとも)回復するだろう。現段階で、日本再生のための改革を断行出来るリーダーは小泉さんだけであることを国民が感じ取っているからだ。




 夕方、議員会館で、間もなく臨時大使としてアフガ二スタンに赴任予定の駒野欽一氏(外務省中東アフリカ局参事官)に会った。率直に言って、いい人事だと思う。経済協力分野の経験が長く、ペルシャ語のスペシャリスト。誠実でまじめな人柄。話によれば、現地の人の言葉(民族によって違いはあるものの)はほとんど理解出来るとのこと。また、駒野大使の使う言葉も、アフガン国民の7、8割に通じるようだ。「NGOとの関係をしっかり修復して、スムーズな協力関係を作り上げてくださいよ」と注文をつけておいた。アフガ二スタン復興支援国会合の成功は日本外交久々のヒットだった。この流れを止めないよう、大使にはしっかり頑張ってほしい。