先週の木曜日夜8時30分。永田町の「超売れっ子政治家」の一人であるミッチ-・ジュニアこと渡辺喜美衆議院議員がこの日xx回目?の会合を切り上げ、森ビルのセミナー会場に顔を見せてくれた。早速、「日本再生渡辺プラン」を聞こうと集まってきたセミナー参加者と名刺交換をしてもらう。今回のプログラムのために渡辺氏の著書「日本はまだまだ捨てたもんじゃない」を買って勉強していたラジオ番組のアシスタント(武田さん)もしっかり本人のサインをもらってご満悦の様子。




 ラジオ・プログラムが始まると、すぐに「ヨシミ・モード」にスイッチが入る。資産デフレをどうやって克服していくか。渡辺氏が提唱する「産業再生委員会」と「平成復興銀行」とはどういうものか。なぜ政治家を志したのか。日本が目指すべき「当たり前の国」とはどういうものか…。とにかく途切れない熱弁。あっという間に公開収録分の30分が終わり、会場とのQ&Aに移る。ここでも活発なやり取りがあった。一つ一つの質問に丁寧に、真摯に対応する姿にヨシミ氏の人柄がにじみ出る。




 このセミナーは学生を含むボランティアの戦略スタッフによって支えられている。そのうちの一人が、「名刺交換しただけでファンになっちゃいました。自分の名前をじっくり見てくれたから。」と話していた。政治家にとってはワン・オブ・ゼム(大勢のうちの一人)でも、名刺を渡す側はそれなりの思いを持っている、とのこと。なるほど、ヨシミさん、選挙強いわけだ。(勉強になりました。)それにしても、番組ゲストにつけてもらう「総理大臣のたすき」が似合うのなんの。




 本日午後、その喜美さんを含む衆参若手議員のグループとともに石原ノブテル大臣の大臣室を訪ね、激励した。メンバーは根本匠氏、渡辺喜美氏、世耕弘成氏、小林温(ゆたか)氏らの6名。塩崎恭久氏は出張中。河野太郎氏は講演の真っ最中。佐藤勉氏は地元の会合で30分以上遅れる、ということで残念ながら参加できなかったが、10名の有志が集まって石原氏を応援に行こうという話になった。「小泉改革が失敗すれば自民党はもちろんのこと、日本の政党政治全体が崩壊する」という点では、同じ危機感を共有しているメンバーだ。




 行革・規制改革担当大臣とは言っても、ノブテルさんの下には副大臣も政務官もいない。大臣をサポートする実質的なスタッフ(手足)もほとんどいない状況の中で「改革のイニシャティブを取れ!」といわれても確かに気の毒だ。それでも、ノブテルさんには我々の世代を代表する「新世代総理候補」として、もっと突き抜けてほしい、と思う。石原大臣の言葉どおり、特殊法人改革は緒についたばかり。来るべき本当の戦いにむけ、同世代の我々が石原さんをしっかり支えていかなければならない、と感じた。




 永田町は外務省以上の「伏魔殿」。見えないところで様々なチャンネルやネットワークが作られたり、消されたりする。水面下で常に大小の思惑がうごめいている。表面的には単純な対立の構図に見えても、裏ではしっかり調整のついた「出来レース」だったりする。政局の中で、敵と味方がくるりと入れ替わることなんて日常茶飯事。一部の「偉い人たち」の間で「極秘の?シナリオ」が作られ、それを実行するために水面下で根回しが行われているなんてこともしょっちゅうだ。自分たちの書いた絵を乱すような「計算外の動き」には当然、神経を尖らせることになる。問題は、そのシナリオが(日本のために)常に正しいとは限らないということと、一連のプロセスが国民の目から見て極めて分かりにくい、ということだろう。




 それぞれの細胞が違った目的で動いているのだから、何か動きを起こせば必ず「反発」があるのが政界の常。特にやっかみと嫉妬の渦巻く世界でもある。多少の波風が立つことを恐れていたら、結局何も出来ない。「表立ってやると反発を招くから…」というご忠告を受けることがよくあるが、政治の世界こそ、「健全な自由競争」があってしかるべきだ。「目立つ」こと自体が目的ではないが、「発信」も出来ない国会議員に時代を動かす力があるはずがない。政策やビジョンもないくせに権威ばかりを振りかざすタイプの政治家に限って、他人のことばかり気にする傾向がある。人一倍能力があって、知恵があって、それをアピールする戦略と行動力のある政治家が、努力もしない議員に比べてより「スポットライト」を浴びるのは、しごく当然のことだと思う。




 百戦錬磨の「アンシャンレジーム」(旧体制)の人々の計略や悪知恵は我々の理解をはるかに超越したところにある。目的や意図をもった情報に翻弄され、誤った認識を植えつけられてはいないだろうか。小泉総理の構造改革をめぐる政界の動きはますます激しさを増している。何度も言ってきたことだが、政治家はサラリーマンではない。それぞれ有権者によって選ばれ、党の幹部や派閥の親分ではなく国民に対して責任を負う。「賢く立ち回る」ことを考えるのではなく、自分が正しい(日本という国のためになる)と信じることを素直に形に現せばいい。同じ危機感や思いを共有する仲間を集め、「行動」し、「発信」する。そのことで生じるリスクはそれぞれが政治家として判断し、決断し、そして責任を負うだけのことだ。「ナイーブ」(自分の感性に逆らわない)な山本一太でいいじゃないか。