日曜日。東京から高崎にむかう新幹線の中でこのレポートを執筆中。衆議院で始まったテロ対策関連法案の審議も参議院の議論を経て、金曜日の参議院外交・安保委員会で法案採決。明日(月)の本会議で参院を通過、成立することになった。同委員会の自民党理事として、また同法案担当の国会対策副委員長として連日飛び回ってきた身としては、「ホットひと息」というところか。もちろん、12月の会期終了に向け始末しなければいけない担当の法案は目白押しの状態。日程を睨みながら、最後まで気の抜けない国会になりそうだ。参院審議のトップバッターとして行った小泉総理へのはじめての質問(100分間)については、また別の機会にレポートすることとしたい。




 そう言えば、金曜日の一般質疑で民主党から質問に立った広中和歌子議員が「新幹線テロの可能性」について言及していた。改めて席の回りを見渡してみる。なるほど車内に置かれたカバンの中で「一発の爆弾」が爆発すれば、間違いなく大惨事になるだろう。不審物が持ち込まれないよう水際でシャットアウトするしかないが、手荷物検査なんかを強化すれば余分な時間がかかる。考えたくもない嫌な話だが、最悪の状況を想定し、きちんとした対策を考えることが政治の責任だ。




 昨日の夕方、群馬県伊勢崎市の「法人会」主催のセミナーに出席し、「21世紀の日本の展望」というタイトルで講演を行った。講演の出来は(自己採点すると)「50点」くらいだったが、それでも熱心に聞いていただいたように思う。参加者の予想以上の人数。企業関係者から主婦の方々までバラエティーに富んだ聴衆だった。小泉改革の見通し、日本経済の展望、米国のテロや日本におけるテロ関連法案の審議等について1時間ほど持論を展開し、残り40分程度を出席者との意見交換にあてる。ここでも活発なやりとりがあった。すっきりした気持ちのいい会合だった。関係者の皆さん、いい機会をいただき、ありがとうございました!一番嬉しかったのは、最後に挨拶に立った女性部の代表の方が、「私達有権者にも政治家を選ぶ責任がある。もう、派閥がどうとかという時代じゃない。たとえば本日の会の司会を務めていただいた00さんのご主人は一太さんと違うグループのOO議員さんの後援会の幹部をなさっている。それでも、今回の参議院選挙では別の派閥が擁立した他の候補者への応援要請をきっぱりと断り、一太さんを応援したんです!」と演説してくれたこと。保守王国群馬でも、有権者の意識は間違いなく変わりつつあるようだ。「一太さん、地元のことより、まず国のことを考えて行動して欲しい。日本がよくならなかったら、群馬県だってよくならないんだから…」法人会会長の言葉が耳に残った。




 ところで、先週の金曜日から今週の月曜日にかけて、韓国最大野党ハンナラ党の若手議員グループ(「未来連帯」)が来日している。9月末に河野太郎議員と一緒に訪韓し際、ソウルで意見交換を行ったグループ。「韓国出張報告その3」で彼らのことを書くつもりだったが、その前に来日してしまった。いわゆる韓国政界の386世代(30代、80年代に大学に通い、60年以降に生まれた新世代)も多く、次世代のエース候補がずらりと揃っている。




 金曜日の夕方、自民党本部で歓迎のレセプションをやり、その後、中華レストランで夕食会。 昨日は都内のホテルで日韓若手議員によるテーマごとの議論(セッション)が行われた。前述の講演会の日程が数ヶ月前から決まっていたこともあり、肝心の「議論」に参加出来なかったのは残念。夜、河野議員から連絡が入り、意見交換の成果を聞く。「日韓未来研究会」というグループを立ち上げ交流を図っていくことで合意したとのこと。日本側の代表は山本、河野の二人。韓国側は「未来連帯」会長のイ・ソンホ議員(40代)と事務総長であるワン・ヒリョン議員(30代)が窓口になる見込みだ。




 今回の訪日議員団受け入れについては、国会対策(テロ関連法案担当)のため時間が自由にならず、河野太郎氏に相当負担をかけてしまった。太郎ちゃん、ご苦労様でした!来年の1月に与党(民主党)の若手グループが来日する際には、こちらがしっかり汗をかくことにしよう。今晩、その韓国議員グループの中心人物と密かに個別の会合を持つことになった。次回の大統領選挙を視野に入れ、日韓の「かけ橋」を改めて補強しなければならない。未来志向の関係は、我々の世代が中心になって築いていく…そうした気概を持ちたい。




 さて、11月1日(木)より、かねてから準備を進めてきた「政治セミナー」がいよいよスタートする。森ビル文化事業部が主催する「アカデミーヒルズ・ポリシースクール」という(その筋では有名な)社会人等を対象としたコースの一部として、毎週木曜日の夜8時から9時30分まで行われるこの公開セミナーのモデレーター(司会進行役)を務めることになった。セミナーのタイトルは「新世代総理宣言」。(このコピー、いいでしょう。もちろん山本一太のアイデアです。)与野党の将来の総理候補(30代、40代)を一人ずつ招き、日本の国家像や将来ビジョンについて語ってもらうという企画。第一回目のゲストは石原のぶてる行政改革担当大臣に決まった。自民党では塩崎恭久氏、渡辺喜美氏、河野太郎氏、野田聖子氏等、民主党では前原誠司氏等にすでに出演?を依頼。インターネットによるアンケート等も活用しながらメンバーを選んでいく方針のようだ。今後、セミナーの一部を某局(全国放送)のラジオ番組として毎週放送するとか、週刊誌(月刊誌?)のシリーズ連載に組み込むとか、一冊の本にして出版するとかいった計画も同時進行中。インターネットやBSの文字放送でも発信することになりそうだ。セミナーのアシスタントを募集したところ、(かなり内々のサークルに限定したにもかかわらず)100名以上の応募者があったとか。BS放送や地方局のアナウンサー、TVレポーター、はたまた俳優の卵、アナウンス学院に通う学生等々…予想をはるかに超えた?そうそうたる(個性的な)候補者が集まったらしい。書類や論文により12名に絞り、二回にわけて面接をすることに。「未来のスター候補」とチームを組むのは悪くない。こうした活動を一つ一つ積み重ねることで、国民の意識を変え、次世代の政治家の覚悟を促し、そして実際に「新世代総理」を誕生させるムードを(少しでも)生み出すことが出来れば、と考えている。




 ところで、前々回のレポート「真の国際派は何人いるか」を掲載するや否や、様々な意見(クレームから問い合わせまで)が寄せられてきた。一昨日は、なんと町村信孝元文部大臣(衆議院議員自民党幹事長代理)本人からのメールを発見し、びっくり。「国際派のジャンルに入れてもらえなかったのは残念…以後お見知りおきを。」という丁寧な一文を頂戴する。「あくまで自分が知っている(英語を話すのを聞いた)政治家の中での評価です…」とさっそく返信する。町村氏といえば、自民党森派のプリンスで、ニューリーダー(次期総理l候補)の一人とも目される政治家。さっそく経歴をチェックしてみると、なるほど学生時代にも留学経験があり、さらに通産省時代には二年間の米国勤務も経験。先日も「講演」のためにシンガポールを訪れ、講演はもちろん、質疑やその後の記者会見まですべて英語でこなしたという事実を確認した。町村氏は紛れもない「国際派の政治家」と言えそうだ。(大変、失礼いたしました。)それにしても、政策やプロフィールすら完成していない「開発途上の」HPを町村氏のような大物政治家に「読んでいただいていた」とは…いやはや驚きました。山本一太の「発信力」も、そうそう捨てたモンじゃないぞ!