昨日の午後、日本政府と日米協会の主催により、東京有明のビックサイトにおいて「米国テロ被害者追悼・お見舞いの会」が行われた。日本政府の代表として挨拶に立った小泉総理は、犠牲者に対する追悼の言葉を述べるとともに、こうしたテロ行為に対し「世界の国々とともに毅然と立ち向かい」、さらに「同盟国として米国に対する最大限の支援と協力を惜しまない」j決意を表明した。今後、自衛隊の支援のあり方についての議論が本格化することになる。




 前回に引き続き、朝日新聞「e-デモクラシー」で行われるパネル・ディスカッションに参加することになった。テーマは今回のテロ事件に対する日本の対応ということのようだ。チラッと聞いたところでは、自民党から山本一太、民主党から前原誠司氏、そして社民党から福島瑞穂氏が参加予定とのこと。この問題についてはネット上の議論を通し、改めて自分の意見を述べたいと思う。ぜひ、アクセスしてみてください。




 一つだけ言っておきたいことは、構造改革問題も含め、日本という国家及び日本人がいろいろな意味で「覚悟」を持たなければならない時代状況になっているということ。同盟国として、米国の「テロに対する闘争」を支援することは日本の国益にも、また国際社会全体の利益にもかなっている。この点で、小泉総理が今日から米国に出向き、ブッシュ大統領と会談することの意味は大きい。(というか、会談がセットされてホットしたというのが正直なところ。)




 ただし、「日本がどこまで、どういう形で貢献し得るか」についてはきちんと考える必要があると思う。今後、日本自体も「テロの標的になる可能性がある」という冷徹な現実を踏まえ、「一方で米国を全面的にサポートしながら、他方で国内のテロ発生の可能性を極小化する」という方向性を探っていかねばならない。日本政府とイスラム諸国との良好な関係も最大限に生かしながら、米国の立場を支持し、同時に総理自身や重要施設に対する警備の強化等についても早急に必要な措置を取らねばならない。米国の報復攻撃が間近に迫る状況の下で、難しい外交の舵取りになるだろう。小泉内閣ならきっと乗り切っていけると信じている。




 さて、16日の午後3時に成田空港を出発するはずだった大韓航空機が、このテロ事件の影響(何でも、機材の一部が米国経由で運び込まれるはずだったとかいう理由)で、大幅に遅れるとの知らせを受け、出発便を急遽、午後6時過ぎの全日空に変更。東京駅午後3時発の「成田エクスプレス」で河野太郎議員と合流。久々にジャンボ・ジェットに乗り込んだ。




 二時間もしないうちに、ソウルの夜景が見えてきた。猛暑の中の厳しい選挙戦の最中でさえ気になっていた日韓関係。外務政務次官時代に(むこうの外務大臣と会談した後)、空前絶後?のライブ・コンサートまでやった世宗文化センター。次第を担う韓国若手議員との会(「バクダン」)を立ち上げたホリデー・イン・ホテル。4回続けて訪れ、100人近くの議員の事務所を「アンケート」とCD「一衣帯水」を持って回った国会議員会館。映画「シュリ」の舞台となった新羅ホテル周辺…。光の帯を見ながら、涙がこぼれそうになった。(WHY?)きっと前世では、朝鮮半島と何かの関係があったに違いない。そうでなければこの感情は説明がつかない。




 アジア最大のハブ空港、インチョン・エアポートに初めて降り立つ。なるほど想像以上に大きくて立派な施設だ。それでも、この空港、日本の関西空港にとてもよく似ている。(そう感じるのは私だけでしょうか。)新空港からソウル市内のホテルまでは「渋滞フリー」の高速道路(弾丸道路)で一時間余り。それでもやっぱり遠すぎる。東京都内ー成田空港ーインチョンーソウル市内というコースで約4時間。東京ーソウル間の飛行時間より長いんだから。やっぱり、羽田ーキンポ空港間の定期便(シャトル便)を創設することがベストだという結論に達した。




 訪韓時の常宿であるホリデーイン・ホテルに到着したのは、午後9時過ぎ。部屋にチェックインしてひと息ついた後、韓国での最初のミーティングに向かう。同じホテルのバーで、親友の日本人ジャーナリストS氏と若手議員交流の韓国側代表であるキム・ミン・ソク議員に再会した。




 ミンソク議員は与党である新千年民主党(MDP)若手議員の代表格で、将来を嘱望される韓国政界若手スターの一人。マスコミ等での知名度も抜群。最年少(31か32歳?)で当選し、現在38歳。ソウル大学の学生運動の委員長として運動を指揮し、二年間投獄された経験もある。「将来の大統領候補」の一人であることは間違いない。最近与党内で起こった内部対立では、執行部批判の改革派ではなく、大統領支持グループの長老議員の側についたとかでやや人気を落としたとも聞いているが、「カリスマ」は衰えていない。緊迫する政局の中で無理やり時間を割いてホテルまで会いにきてくれた。相変わらず「信義に厚い」ミンソク氏と約二時間、教科書、靖国問題を含めた日韓関係、日韓の国内政治や経済の現状、さらには米国の同時多発テロが及ぼす影響等々について意見交換を行った。




 今回の出張では、与党の議員のみならず、最大野党ハンナラの若手議員グループともじっくり話しあう機会を持つことが出来た。今後の日韓関係に対する韓国政界や一般国民のムード。金大中政権の置かれた状況。次回の大統領選挙の展望等については、「日韓出張報告 その2」で取り上げることにしたい。明日は国対副委員長として出席することになる最初の「参院自民党執行部会」が行われる予定。気がつけば夜中の2時。この辺でキーボードを置くことにします。それでは、グッド・ナイト!