今日も朝から一日地元の日程をこなす。各地の納涼会やイベントで顔を合わせる上州の人々から、口々に「良かったねえ!」「応援したんだよ!」と、声をかけられる。激戦を勝ち抜いての「大勝」だっただけに、各地の支援者もかなり盛り上がっているようだ。「鉄は熱いうちに打て!」それにしてもどうしてこんなに疲れるんだろう。「完全体」に戻るにはもう少し時間が必要だ。




 昨日の午後、やはり選挙区を爆走中(?)に、河野太郎衆議院議員から携帯に連絡が入る。9月30日に行われる神奈川JC主催のパネル・ディスカッションに自分と一緒に参加して欲しいとのこと。東京の秘書と連絡を取って日程を確認、その場でOKを出す。




 相変わらずの「高視聴率」を誇る河野議員の「ごまめの歯ぎしり」レポートから、このページに立ち寄ってくれる読者も多いようだ。米国ジョージタウン大学の後輩、という関係を差し引いても、河野太郎って、基本的に「ホントいいやつ」です。




 もう一人の女性候補の出馬が発表された時には、「いつ群馬に入ればいいのか」と、心配の電話。選挙戦最終日の前日には、忙しい日程を割いて応援に。狭い遊説カーの後部座席で(文句一つ言わず)ウグイスの人たちと一緒にマイクを握り、高崎駅前の夜の街頭演説までつきあってくれた。(まあ、立場が逆だったら当然、同じことをしたと思うが…。)そう言えば、二人が中心になって始めた日韓の若手議員交流でも、「エコノミークラスの手弁当外交」という山本提案を最も自然に受け入れてくれたのは河野氏だった。性格も政治のスタイルも違うが、ここらへんの感覚はやっぱり似てる。




 さて、今から一年ほど前、河野太郎氏や石原ノブテル氏らとともに「自民党の明日を創る会」を結成、若手論客として(金融国会以来)再び注目を集めたのが、故渡辺美智雄代議士のジュニア、渡辺喜美衆議院議員だった。最近、「日本はまだまだ捨てたもんじゃない」という新著を発表、デフレ経済克服の処方箋(渡辺ドクトリン)をひっさげ、マスコミでぶいぶい言わせているのはご存知の通り。そのミッチー・ジュニアと先週の夜、二人きりで会合を持った。赤ワイン(こっちはウーロン茶)を傾けながら、約3時間。日本経済について、日本の国家像について、派閥について、政党のあり方について、外交や政治哲学について、はじめて喜美さんとじっくり話す機会を持つ。




 渡辺氏の政治家としてのビジョン、哲学、突破力に率直に感銘を受けた。故渡辺ミッチー代議士の人脈やネットワークを(恐らく)そのまま引き継いでいることもあるだろうが、ちゃんと自分の「ブレイン」を持ち、いろんな情報を「集積」している。経済、金融政策に精通していることはもちろん、外交や教育問題についても、一貫した哲学を持ち、それを「自分の言葉」で雄弁に語る。




 しかもこの人、日本語がうまい。言葉の選び方が的確で知的。うーん、喜美さんてこんなに「インテリジェント」な政治家だったんだ。(こう言うと、まるで、今までそう思ってなかったみたいですね。ごめんなさい。)一つのテーマを話し始めると10分くらい止まらなくなってしまう(口を挟めない)のはいつものことだが、けして人の話を聞かないタイプでもない。「過激発言」をしても、どこかチャーミングで憎めない人柄はやはりお父さん譲り。なるほど、メディア受けするはずだ。




 いわゆる新世代政治家のグループにも、将来の総理候補が生まれつつある。「スター性抜群」の石原ノブテル行革大臣、「バランス感覚」の安倍晋三官房副長官、「オールマイティー」の塩崎恭久代議士(課題は人望のみ)等とともに、「発信力」の渡辺氏が、将来、リーダーの一角を占めることは間違いないだろう。




 この6年間、主に、外交、農業、観光産業等の分野を中心に活動してきた。小泉構造改革の流れを睨み、これからは経済、金融政策に全力を注ごうと考えている。とりあえず、「渡辺スクール」に弟子入りさせてもらうことに決めた。「一度死んでから甦る」渡辺方式はそれなりに説得力があるが、「インフレ目標政策」については(日銀の国債引受けなどの禁じ手を使う調整インフレとは違うという話もあるが)、やはり「インフレをコントロール出来なくなるリスク」(デメリット)の方が大きいのではないか。この点については、改めて(近日中に)竹中大臣の考え方をお聞きしようと思っている。




 いよいよ本格的な「実施段階」に入ろうとする小泉総理の改革が頓挫するか、また中途半端な形で終わるようなことがあれば、日本という国は(少なくとも経済的には)80%くらいの確率で「凋落」していくことになる。その流れを止め、日本を窮地から救い出すためには、相当の覚悟と突破力を持ったリーダーが求められるだろう。それは、どちらかというと「電気自動車」のようなイメージの政治家(現在、ニューリーダーと呼ばれているような人たち)ではなく、排気ガスの匂いをプンプンさせ、煙を吐きながら猛進する「そこのけヨシミ号」か、多少標識を無視してもスピード違反で疾走する「マッハ太郎」号のようなタイプの政治リーダーかもしれない。「一太号」もかなり思い切った改造とチューンアップが必要。そうでなければ、なかなか、この先頭グループには追いつけそうもない。