朝9時。衆議院の国会対策委員長室で、佐田玄一郎国対副委員長に面会。「とにかく死に物狂いで頑張れ!」と激励をいただく。議員会館の事務所に戻り、書類とメールのチェック。10時前に衆議院議員会館を訪問し、笹川尭衆議院議員(新しい群馬県連会長)に挨拶。開口一番、「ハンセン病訴訟に関する控訴取り消しの決断には驚いた。小泉さんはやっぱり常人じゃない!」




 そのまま、自民党本部に向かう。控え室として用意された二階の部屋には、公認証・公認料を受け取るために上京してきた公認候補者や代理の秘書が続々と集まっていた。




 10時10分頃、小泉総理と党5役が控え室に到着。候補者全員を前に、総理から次のような激励の言葉があった。「小泉政権を生み出したのは派閥の論理ではなく民意。それが党員を動かした。参議院はもともと派閥的運営をしていないというのは聞いているが、それだからこそ、派閥離脱をして選挙に臨んでほしい。自民党公認イコール当選というような時代も過去にはあった。しかし、これからは従来のように、支持団体や支援議員の挨拶回りだけでは票が出ない。国民は、自民党の候補者一人一人が自ら自民党を変えたいという気持ちを持った改革派か、そうでないか、ということをしっかり見ている。強制はしないが、それぞれしっかり考えて欲しい」




 続けて挨拶に立った青木参院幹事長からは、「大きな方向は総理の言うとおりだと思う。しかし、現在はすでに戦いの真っ最中であり、混乱が生じてもいけない。総理の言葉も踏まえた上で、それぞれ最もやりやすい形でやってもらえばいい」という話。この問題は、外から言われてどうの、というのではなく、参議院が自ら考え、解決していくべきものだというコメントもあった。




 一連の儀式を終えて、部屋を出ると、マスコミ関係者に囲まれる。「山本さんは派閥離脱をして選挙を戦うんですが」と質問されたので、「総理の言うことですから、自分なりに真剣に考えてみます」と答えた。選挙区を必死で飛び回る毎日。そんなことを考えている余裕がない、というのが正直なところだ。




 小泉政権の下で、派閥というものの存在が大きく揺らいでいる。派閥の求心力は早晩、「ポストや資金の確保」から「政策やビジョンの一致」に変わっていかざる得ない状況。「小泉改革」をサポートしているのだから、別に形式にこだわる必要はないと考えている。それぞれが地元の情勢を分析、「勝利の方程式」を考えて、柔軟に対応すればいいと、思う。それにしても、小泉流「派閥メルトダウン作戦」は極めて戦略的だ。先般、総理自身が明言した「道路特定財源の見直し」といい、小泉革命のペースは予想よりずっと早い。