参議院選挙の公示までいよいよ二ヶ月を切った。自民党が惨敗を喫した三年前の選挙においてさえ、二人の現職自民党候補を当選させた保守王国群馬県。その群馬地方区では自民党県連が「二人の公認候補者擁立」という方針のもと、昨年から、すでに公認となっている山本一太以外の候補者擁立を模索してきた。しかしながら、森内閣、自民党に対する逆風で人選は難航。複数挙区は原則として一人の候補者に絞るという参院自民党の基本方針も固まり、このまま時間切れになるのではという見方も出始めていた。この状況を一変させたのが小泉内閣の誕生。80%以上という驚異的な内閣支持率と政党支持率の上昇という追い風を受け、自民党二人目の候補者調整が一気に活発化し、急遽、新たな候補者が擁立される見込みが強まっている。




 問題の「ライバル」は、若手の女性県議。父親は元自民党衆議院議員で現在は群馬県民主党の副代表を務める。本人は二年前、無所属で県議に初当選した。ご当人は、4月末に出産したばかり。現在、自ら提唱し、創設した「産休制度」を利用して県議会を休んでいる。父親が現職の民主党幹部であること、産休中であること、また自民党員でないこと等について批判もあるようだ。が、しかし、選挙戦はあくまでフェアプレイで、「正々堂々と」戦いたい。




 民主党の公認候補は、現職の参院民主党幹事長 角田義一氏。これまで参院選挙を4回戦っているベテラン政治家。弁護士で熱血漢。気さくな人柄で多くの個人票を持つ強敵だ。小泉人気イコール自民党人気ではないことを考えても、二議席独占は相当難しい。やはり(というより予想通り)最後は「命がけ」の選挙戦になった。全県一区の参議院選挙の大変さは経験したものでなければ分からない。体力と精神力を限界まで振り絞り、死に物狂いでこの「激戦」を勝ち抜く決意を新たにしている。




 選挙公示まで、残りの期間(約二ヶ月間)にやらなければならないことは山ほどある。昨年から県内各市町村で進めてきた後援会の立ち上げ、更新、また総会の開催。加えて支援議員団の方々からのサポートの強化、全県における街頭遊説・街頭演説の実施、インターネットを活用したキャンペーン等々…。 




 とりあえず、背広や必要な書類を高崎の自宅に運び、今週から7月末まで「地元から東京へ通う」体勢を整えることにした。 今国会における委員会理事としての仕事も、来週の国際問題調査会で終了。これから二ヶ月間はほとんどの時間を地元の選挙活動に使うことになる。これまであまり頼らなかった「身内の力」も借りなければならない。結婚後も、仕事で世界中を飛びまわっている妻ともじっくり話し合った。来週からほとんどフルタイムで選挙区にってもらうことに。 東京在住の姉からも、義兄の許可を取り、6月からは本格的に地元を手伝ってくれるとの「激励の電話」がかかってきた。




 「若手応援団」もこれから続々上州に入ってくる予定。昨日、さっそく盟友・河野太郎代議士に電話を入れた。「そりゃあ、大変だ。急いで日程送ってください!」という返事。同じグループの下村博文、高市早苗両議員はもちろん、未来の総裁候補?塩崎恭久議員も、以前から「応援に入るよ」と言ってくれている。すでに一回ずつ、太田市と伊勢崎市の会合にかけつけてくれた野田聖子、馳浩両議員にも、改めてご来訪願わねばならない。




 そういえば、本日午後6時から赤坂プリンスホテルで小渕恵三前総理の一周忌があり、そこで野田聖子さんに(婚約発表以来初めて)久々に会った。「おめでとう、ってこの場所で言うとまずいかな?」と言ったら、「いいの、いいの。 小渕総理もとても気にしてくれてたから…」当然のことながら、幸せそうだった。「大変なことになった。もう一回応援に来てくれるかなあ」「いっちゃん、行くよ。選挙戦に入ってからがいいでしょう?」相変わらずチャーミングで歯切れのいい聖子さんでした。(お幸せに!)




 近くのテーブルにいた「脱派閥総裁選挙」実現の功労者、大村秀章代議士とがっちり握手。「そりゃあ、オレも入らなあかんわな」と一言。嬉しかったのは、同じテーブルに座った江藤・亀井派の若きプリンス、中川昭一代議士がむこうから話しかけてきて、「ちょっと筋のおかしい話だよな。必要なら、オレ、群馬に入るよ。君の親父さんにもお世話になったし。」と言ってくれたこと。この六年間、様々な勉強会や若手議員交流等を通じて同世代の同僚議員とのネットワークを広げ、お互いに切磋琢磨してきた。仲間の「友情」は本当にありがたい。頼んだのはいいが、日程調整のほうが心配になってきた。




 応援といえば、もう一人大事な人を忘れていた。石原のぶてる行政改革担当大臣。小泉総理が石原さんを抜擢したことは同世代として最高に嬉しいニュースだった。組閣の前日、自民党本部の近くで石原さんに会った。組閣当日の朝まで総理から連絡がなかったというのはどうも本当のようだ。だって、車のドアを閉めながら、「一太さん、応援いきますよ!」と真面目な顔で言ってたもの。のぶてるさん、大臣になってもあの「約束」生きてますよね。明日、大臣室に電話を入れさせていただきます!




 何度も落選の憂き目にあった英国の大宰相チャーチルが、「この選挙という最もふしだらで無節操なものを経験しない限り、残念ながら本当の政治家にはなれない」という趣旨の言葉を残した。政治家にとって選挙が最も大切な「通知表」の一つであることは間違いない。政治家の力の源泉は「民意」に他ならないのだから。「これだけやって駄目なら、自分にはもともと政治家としての才能も魅力もなかった」と納得出来るくらい、全力を出し切りたい。




 改めて自分を取り巻く現在の環境を考え、また、これまでの様々なプロセスを振り返ると、「怒りにも似たファイト」が胸の底から沸きあがってくるのを感じる。気がつけば、選挙一色のレポートになってしまった。それだけ「選挙モード」に入っているということでしょう。




次回は「小泉改革への批判に反論する」をお送りします。