費用対効果とは何か? | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

●費用対効果(B/C)

費用対効果とは、投じる費用に対する効果です。

例えば、10億円の設備投資(耐用年数50年)により、年間3,000万円の収益アップが見込まれる場合、費用対便益(B/C)は以下のようになります。

費用(C)10億円

効果(B)3,000万円/年×50年=15億円

費用対便益(B/C)15億円÷10億円=1.5


この場合、費用対効果が1より大きいので、費用を投じる価値があるといえばうことになります。

 

●社会的割引率(r)

例えば、1兆円を銀行に預ける。金利4%であれば3年後に1.12兆円になります。以下の通りです。


1年目=1兆円×(1+0.04)1.04兆円

2年目=1兆円×(1+0.04)21.08兆円

3年目=1兆円×(1+0.04)31.12兆円

(ちなみにt年目は1兆円×(1+0.04) のt乗


つまり、3年後に1兆円を入手したいのであれば、1兆円÷1.12兆円0.89兆円 を貯金しておけばよいわけです。

このことは、3年後の1兆円の価値は、現在に換算すると0.89兆円になってしまうことを意味します。

(ちなみにt年目の価値は1兆円(1+0.04))。


社会的割引率とは、価値の低減を調整するための係数です。

上記の計算では利率0.04に設定しています。

 

●社会的割引率rを考慮した費用対便益B/

先程の例でいうと、設備投資(耐用年数50)10億円、収益アップが年間3,000万円のケースでは、費用対効果(B/C)は社会的割引率を考慮しなければ1.5でしたが、社内的割引率を考慮すると0.6になります。1以下です。



●設備投資をどうすればいいのか

社内的割引率を考慮すると、継続的な収益アップがなければ、費用対効果は得られないです。

このため、設備投資は難しくなります。

景気の見通しが立たないと、設備投資を見送って、費用を抑制することに目を向けがちです。

しかし、様々な商品の消費期限が短くなっています。商品がフレッシュでなければ、すぐに売れなくなってしまうのが現状です。

やはり、同一商品によって、長期にわたり一定の収益を確保することは保証できない。

何らかの変化をつけて消費に見合う商品を提供する必要がある。


そう考えると、マイナーチェンジやモデルチェンジを大前提に置いた商品開発、量的・質的な変動に円滑に応じることができるプラント、移動式・組立式の設備等が重要になってくると思うわけです。



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