TBS愛の劇場、全廃。
そうですか。
全廃ですか。
TぶうSさんちのお話。
40年続いた 『 愛の劇場 』 と 『 ひるドラ 』 のドラマふた枠、
業界的に言う 「昼帯枠」 を来年3月いっぱいで廃止し、
スタジオ情報バラエティに変更するらしい。
金融ショックによる不況の余波で、
テレビ局のスポンサー広告収入、
つまり製作予算は激減、
カネと時間がかかる ”お荷物” ドラマは真っ先に切られる。
局の台所事情もわからないではないが、
ドラマで食ってきた制作会社やスタッフはさらに深刻だ。
この ”ドラマ冬の時代” をどう乗り切るか?
それぞれの底力、サバイバル能力が試される。
TBS 『 愛の劇場 』 (旧・花王 愛の劇場) は、若いころ随分お世話になった。
『 ああ結婚 』 (1990放送 岸田智史主演)では、
セカンドから初めてチーフ助監督に昇格した。
年配の俳優さんたちに可愛がられ、
呑みだけでなく、初ゴルフにも連れてってもらった。
わがまま巨匠監督相手に大ゲンカしたのもこの作品だ。
『 ママじゃないってば 』 (1994放送 河合奈保子主演)では、
助監督ながら企画に加わり、タイトル案を採用された。
この頃がいちぽんチーフ助監督時代の黄金期。
主演女優のお悩み相談役をしてるうちに、いつしか…、
ちょっと甘酸っぱい思い出の作品。
『 ママに宿題 』 (1995放送 床嶋佳子主演)では、
後輩をチーフ助監に昇格させ、自分は制作主任で後方支援。
ロケ地千葉の御宿の海に何十回往復しただろうか。
まあ、地元の漁師さんと飲んでただけだろって話もあるが。
他にも、皆さんご存じ人気ドラマ 『 天までとどけ 』 では、
助っ人美術装飾スタッフとして非公式にノーギャラ参加。
実はその数ヶ月前にやった別のドラマで、
予算を考えず無茶する監督に噛みつこうとした美術スタッフを
「まあまあ、オレがそのうち身体で返すから」となだめたら、
ホントに ”身体” で返すことになっちゃったの巻。
深夜早朝セットに通い、子供部屋の飾りを手伝った。
美術さんの大変さを肌で味わえて、貴重な体験になった。
…などなど。
いちぽんの青春が詰まった 『 愛の劇場 』 。
いつか必ず、監督として戻ってくるぜって言ってたのに、
…全廃ですか。
あらら、またひとつ居場所が消滅した。
漂流監督いちぽん、
今度はいったい何処へゆく?