それからは虚無の日々が続いた。
いろんな友達ができたが、それでは彼女の抜けた穴は埋めれなかった。

彼女との別れから半年が過ぎようとしたある日、突然彼女からメールがきた。
そのメールに書いていたのは・・・・・

実は彼女はとあるミュージシャンであると。
だから会う事はできなかったのだと。
今でこそ誰でも知っているそのミュージシャンだが、当時はヒット曲が数曲ありはしたがブレイク前で私はその人のことを知らなかった。
そのミュージシャンは私と同じ地方の出身であるらしい。

それからは彼女とはメールだけの付き合いになった。
新曲の話や、どこでライブをやるとかテレビにいつ出るとか、そのような話題だった。
私は彼女を知りたいが為にそのミュージシャンの事を知ろうとした。ファンになった。
DVDやCDを買った。ラジオも聴いた。テレビも観た。

だがどうしても半信半疑だった。
過去に彼女と話した日のチャットやICQのログと、そのミュージシャンの過去のスケジュールをあわせて調べてみた。
どうしても辻褄の合わないことがあるのだ。
なぜ??(つづく)
私は自分のサイトの日記で彼女が去った後の寂しい気持ちを書き綴った。
その事が功を奏した。彼女が戻ってきてくれたのだ!

それ以降も何度か間隔をおいてオフ会の楽しさを語り、会ってみたいという話をした。
その度に軽くあしらわれる日々が続いた。

ところがある日の彼女の言動が、思わせぶりであった。そのために私は『今回はもしかしたらいけるかも知れない!』と思った。
普段ならすぐにあきらめるのにその日はやたらしつこくしてしまった。
最終的に彼女は無言になり、そして挨拶もなく落ちてしまう。
それ以降彼女とは会えなくなるのだった。

私はひどく後悔した。
彼女を追い詰めてしまった・・・・そのせいで彼女との楽しい日々を失ってしまうなんて。
なんであんな事してしまったんだろう。。。
その日また泣いてしまった。前よりももっと激しく泣いた。
メールも何度か送ってみた。しかし返事はなかった。

もう彼女とは話せないのか・・・・(つづく)
彼女は仕事が忙しくなったらしく、チャットにでてくる回数が徐々に減っていった。
それでも相変わらず一緒にいる時は仲が良かった。

私の交流関係の輪は当時かなり広がっていた。毎日3~4時間の睡眠で何時間もそのチャットにいたからだ。
私は自分でいうのも何なんだがそのチャット内での面白いキャラではかなり上位に食い込むものと自負していた。
その頃の彼女はたまにチャットに来てはいたが、既にもう私以外との会話はつまらなく物足りなくなっていた。

いつも二人だとマンネリ化してしまう。たまに気分転換に他のチャットへ行ってみてはしたが何も変わらなかった。
その事が彼女にチャットへの限界を感じさせてしまったのだ。

その日彼女はもうチャットをやめると言った。私は必死になってとめた。
しかし彼女の決心を変える事はできなかった。

彼女は順番に部屋を移動し、秘話で知り合い達に今までの礼と共に別れを告げていったのだ。
私はその場に立ちすくみ、無力な自分を呪った。なす術もなかった。
私は自分のサイトの日記で彼女が去った後の寂しい気持ちを書き綴った。(つづく)
それからの私は彼とタメをはれるくらい面白いモテキャラになっていった。
もう会話にノレないという事もなくなっていた。

そのうち彼が失恋の為にあまりチャットに来なくなった事で彼女との仲は急速に深まっていったのだ。
と言っても私は彼女への気持ちを口には出していなかったし、彼女もそのような素振りは一切見せなかった。
彼女も毎日ネットに姿を現すわけではなかったので彼女のいない日は他の人達との会話を楽しんだ。
でも彼女が現れたら何よりも最優先したものだ。

なかなか了承してくれなかったがなんとか写真交換もした。写真ではモデルかと思われるくらいの可愛いコだった。彼女の写真は私と限られた数名の男しか見ていない。
私はさらに『彼女に会ってみたい』という感情でいっぱいになっていった。
その頃既にオフ会も経験していたし、ネットの人との電話もしていたので思い切ってオフ会の提案もしてみた。しかし、いつものらりくらりとかわされたものだ。
勿論住んでる地域が遠いので簡単に実現するとは思えなかったのだが。

彼女はネットとリアルをはっきり区別する人だったのだ。
オフ会なんて勿論ダメ。電話さえもダメだった。
仲間内では冗談でネカマ説やおばさん説まで出た事もあった。それが私は悔しかった。否定したかったがその根拠がない。
だけど私は信じていたのだ。それを皆に証明したい。それもあったから会いたいと切実に思うようになっていった。


それが彼女を苦しめることになるとは。。。。(つづく)
私は思った。私が真面目で堅いキャラだから面白くないのが悪いのだと。
自分のキャラを変えていくしかない。私はギャグを積極的に取り入れていった。
さらにチャット内では標準語を使っていたのだが、それ以来私の地方の方言を使うことにした。
その方が言葉もスラスラでてくるからだ。私の住んでいる地方は漫才のメッカなので(バレるね 笑)
間とテンポをツッコミに関してマスターするのにそう苦労はしなかった。
同じ地域のライバル男とは別の路線で面白いキャラになってやろうと思ったのだ。

この事が後々私のネットライフに大きく変化をもたらす事になる。
私の地方の方言を好んでくれる人は割と多く、その事だけで女の子の興味をひいた。さらに会話の面白さをどんどんマスターしていくにつれ人気がどんどん出てきたのだ。
多くの仲のいい女の子の友達が増えていった。(勿論男も 笑)


それが徐々に彼女の私に対する感情を変えていくのだった。(つづく)