夢枕獏の「陰陽師」などの小説を読んでいると、
「呪(しゅ)」というコトバがでてきます。
いろんな解釈があると思いますが、ひとことで言うと
「あるものの活動を制限する、または、あるものと別のものを結びつけるシンボル・手段」
……かな。
電車に貼ってある「ケータイ電源OFF」のラベル。
呪です。
何線だったか忘れましたが、これをシルバーシートの辺りに、
これでもか、と、貼りまくっている車両がありました。
ありゃ完全に、結界ですな。
パッケージ、コピー、ブランドを含む広告は呪のカタマリで、
代理店とそのクライアントに利益をもたらすようにできています。
自転車の防犯登録シール。
所有者と車体を結びつける呪です。
あのシールでどの程度「盗難を防ぐ」ことができるのでしょうか。
よくわかりませんが、盗難そのものを防ぐことよりむしろ、
その自転車が本当に乗っている当人のものかどうかを確認する手段として
使われているようでもあります。
さて、このブログでも、六四卦、各大成卦の大意を順を追って載せています。
この六四卦も、使い込んでくると、
自分が好きな卦、なんとなくヤダナーと思う卦、フシギだなと思う卦、
いろいろ出てきます。
それが面白い……というか、アタリマエというか、
使う人それぞれによって異なるわけです。
使い込んでくると、個々人独特の、
各大成卦との「つながり」が生じてくるわけです。
これはある種ラポール(心理的つながり)ともいえるし、
「呪」ともいえる。
この「呪」を介して、各卦がトモダチや、
相棒のように思えることさえあります。
『やあ、また出たね』
とか、
『来ると思ったよ』
ってな感じです(あ、同じコトか)。
いってみれば各大成卦を人格化してみているいるわけですね。
陰陽師は、式神と呼ばれる精霊を自由に使役することができた、
という伝説がありますが、
六四卦とトモダチになることができたアナタは、
一気に六四の式神、使い魔を得たことになる
……のかもしれません。
それとも、それは
現実をまた違った角度から見ることのできる
六四の言葉……でしょうか。