久しぶりに、母のこのギャグを聞いた。
レビー小体型認知症の母は、先日89歳になった。
入浴付きデイサービスに行った夜、珍しく私とのシャワーはしないと言った。
パジャマに着かえさせ、寒くないようにフリースも羽織らせて、
初めて足湯をセットしてやった。
ユーチューブで母の好きな演歌を聞かせるというサービス付き。
いいことをした気分で、久しぶりに一人ゆっくりお風呂に入って出てきたところ、
廊下で上着だけパジャマを二枚重ね着した母に遭遇。
パジャマonパジャマ!
はぁ~、なぜ、わざわざ私と着たパジャマとフリースを脱ぎ、
別のパジャマを着て、そのまた上に着ていたパジャマを着るのだ!
せっかく着せたのに!
今日は足湯も、演歌も聞かせたのに!
そこで、父が、「おお、やっとる、やっとる」と廊下を笑って通り過ぎる。
その瞬間、あ、負けた、じゃないけど、やられた、と思った。
この状況を笑ってすませるとは、
やるじゃないか、父。
しかし、まだ気が収まらない私は、母を洗面台まで連れて行き、その姿を鏡に映して
「ほら、パジャマの上にパジャマなんておかしいでしょ」というと、
母は「ナンタルチア!」とのたまう。
ガクっ。
力が抜ける。
笑うしかないよなあ。
キイキイ言っている私がばかみたい。
よく考えてみると、パジャマを着せるとき、母はぼそっと「湿っている」と言った。
湿気が高い部屋だからね、でも大丈夫だよ、と着せたことを思い出した。
ああ、母はそれが気になったのかもなあ。
なんだか、私が私が、になってたね。
お母さん、ごめんなさいね。
自宅に帰って、一人反省会。
しかし、笑いの力ってすごいなあ。
一気に場を変える。
私のなかの笑いの遺伝子もONにするとしよう![]()