二十世紀はコミュニズムの時代であった。
現在それは完成されたと思う。
車は一人一台の時代となり、TVも一人一台の様相を呈している。
商業施設は地方の隅々まで行き渡り、商品は常にあふれかえらんばかりに、多種類の品々が多数陳列されている。
国民の多数はサラリーマンとなり、貨幣へ依存する生活が全面的に行き渡っている。

コミュニズムとは何かといえば、それは皆で一緒に幸せになることではなかったかと思う。
その近代版が、今のこの世界の形なのだと思う。
しかし、それを維持するには環境にとてつもなく負荷がかかってしまうことが明らかになってきた。
今、その転換が図られていると思う。

われわれはそれに代わる新しいコミュニズムの形を模索しなければならない。
しかしそれでも、皆で一緒に幸せになる、という理想は死ぬことなくこれからも行き続けると思うのである。
ただ、その中身が少しずつ変わって行くのだと思う。

行過ぎた車社会、明らかに過剰な経済発展、全面的に貨幣に依存する生活、これらからいかに脱却し、調和あるバランスのとれた生活スタイルを構築できるのか。
そのことが今、問われているのだと思う。