一迅社アイリス編集部

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一迅社文庫アイリス・アイリスNEOの最新情報&編集部近況…などをお知らせしたいな、
という編集部ブログ。

11月20日発売の一迅社文庫アイリスの新刊特典情報をお届けします音譜↓↓↓

クールなはずの公爵様がなぜか甘やかしてくる!?
虐げられ令嬢と氷の公爵の和風ラブファンタジーラブラブ

『廃棄された徒花令嬢は氷の公爵の最愛』

西根 羽南:作 練間 エリ:絵
ジャンル:和風ラブファンタジー
文庫判/定価:899円(税込)


★ 書き下ろしショートストーリーA★
下記のアニメイト店舗様での購入者様に特典がつきます。
※配布店舗は記事最下段、店舗リストをご確認下さい。

★書き下ろしショートストーリーB★
応援店舗様での購入者様に特典がつきます。
※配布店舗は記事最下段、応援店舗リストをご確認下さい。

★書き下ろしショートストーリーC★
下記の書泉&芳林堂書店店舗様での購入者様に特典がつきます。
※配布店舗は記事最下段、店舗リストをご確認下さい。

★書泉・芳林堂書店購入者有償特典 アクリルコースター★
下記の書泉&芳林堂書店店舗様で【有償特典付き】を購入すると、限定アクリルコースターがつきます。
※販売店舗は記事最下段、店舗リストをご確認下さい。


配布店舗は、以下の通りになります。

★アニメイト購入者特典配布店舗★
【北海道・東北】
・アニメイト札幌
・アニメイトイオンモール旭川駅前
・アニメイトイオン釧路
・アニメイト八戸
・アニメイト青森
・アニメイト盛岡
・アニメイト仙台
【関東】
・アニメイト池袋本店
・アニメイト町田
・アニメイト吉祥寺パルコ
・アニメイト八王子
・アニメイト立川
・アニメイト渋谷
・アニメイト秋葉原
・アニメイト蒲田
・アニメイト新宿
・アニメイト横浜ビブレ
・アニメイト川崎
・アニメイト水戸
・アニメイトイオンモール土浦
・アニメイトイオンモール太田
・アニメイト大宮
・アニメイト南越谷
・アニメイト所沢
・アニメイトイオンモール津田沼
・アニメイト千葉
・アニメイト柏
・アニメイト宇都宮
【中部】
・アニメイト新潟
・アニメイト長岡
・アニメイト福井
・アニメイト富山
・アニメイト金沢
・アニメイト名古屋
・アニメイト豊橋
・アニメイト豊田
・アニメイト静岡
・アニメイト浜松
・アニメイト沼津
・アニメイト四日市
・アニメイトイオンモール桑名
【関西】
・アニメイト京都
・アニメイトアバンティ京都
・アニメイト天王寺
・アニメイト京橋
・アニメイト大阪日本橋
・アニメイト梅田
・アニメイト三宮
・アニメイト姫路
・アニメイトイオン明石
・アニメイト和歌山
【中国・四国】
・アニメイトイオン米子
・アニメイトイオン松江
・アニメイト岡山
・アニメイト高松
・アニメイト高知
・アニメイト広島
【九州】
・アニメイト福岡パルコ
・アニメイトモラージュ佐賀
・アニメイト佐世保
・アニメイト熊本

・アニメイトオンライン



★応援店購入者特典配布店舗★
・文教堂書店 札幌大通駅店
・文教堂書店 琴似駅前店
・文教堂書店 函館昭和店
・文教堂書店 川口駅店
・文教堂書店 行徳店
・文教堂書店 赤羽店
・文教堂書店 青戸店
・文教堂書店 武蔵境駅前店
・文教堂書店 南大沢店
・文教堂書店 二子玉川店
・文教堂書店 溝ノ口本店
・文教堂書店 溝ノ口駅前店
・文教堂書店 住道店
・アニメガ×ソフマップ 神戸ハーバーランド店
・MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
・ジュンク堂書店 三宮店
・ジュンク堂書店 三宮駅前店
・ジュンク堂書店 西宮店

【電子書店】
・コミックシーモア
・dブック
・ブックライブ
・ebookjapan
・Renta!
・honto
・BOOK☆WALKER
 ほか



★書泉・芳林堂書店購入者特典配布店舗★
・書泉ブックタワー
・書泉グランデ
・芳林堂書店高田馬場店
・書泉オンラインショップ



※特典は、なくなり次第終了となります。
※特典配布方法の詳細は各店舗様にお問い合わせください。
こんにちは!

明日に一迅社文庫アイリス11月刊が発売です!
本日は新刊の試し読みをお届けいたします爆  笑

『廃棄された徒花令嬢は氷の公爵の最愛』

著:西根羽南 絵:練間エリ

★STORY★
貴族の男女の魔力を合わせた結晶――花氷で穢れと魔物を浄化し、国を守っている皇花国。名家の長女ユキは、婚約者である第二皇子カイと花氷を作れないために役立たずの徒花(あだばな)と呼ばれ、家族から使用人同然に扱われていた。カイの態度も冷たく、ある日妹のスズを婚約者にすると婚約破棄されてしまう。ならば用済みだと勘当され森に捨てられたユキは、魔物に遭遇したところを氷晶公爵の異名を持つレンに助けられた。なぜか彼とは花氷を作れたことで、魔力が強すぎて相手に恵まれなかったレンに婚約者として望まれるが――!?
虐げられ令嬢と氷の公爵の和風ラブファンタジー。

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「名前は?」
「さく……いえ、ユキです」

 勘当されたので桜小路は名乗れない。するとレンは未だ震えるユキを見て眉を顰めた。

「ユキ。そんなに怖がらなくても、ここには魔物も君を脅かす者もいない」
「は、はい。お礼が遅くなり申し訳ありません。助けていただき、ありがとうございます」
「領主として当然のことだ。それよりこれを見てくれ」

 姿勢を正して再度頭を下げるユキに、レンは懐から何かを取り出した。
 手のひらに載っているのは、親指の先ほどの大きさの花だ。透き通った氷でできた花。それは、ユキにとって見慣れたものによく似ている。

「これは、花氷……ですか?」

 それほど大きくはないが、透明度が高くて綺麗な結晶だ。しかも、花はユキと同じ桜。
 こんな花氷を作れたら……カイや両親は、ユキを認めてくれたのだろうか。
 憧れと諦めの眼差しで花氷を見つめていると、レンがうなずいた。

「そう。君が作った花氷だ」
「……え?」

 何を言われたのか理解できず、ユキはぽかんと口を開けて固まった。

「正確には、君と俺だ」

 この花氷をユキが作った。しかもレンと一緒に?
 とんでもない誤解に、ユキは慌てて首を振る。

「いいえ、あり得ません! 私はずっと花氷を作れなくて……」

 そこまで口にした途端、今まで徒花と罵られ虐げられてきた日々が脳裏をよぎり、ぎゅっと胸が締め付けられる。

「とにかく、人違いです」

 こんな花氷を作れていたら、今まで苦労はしていない。

「俺の目の前で作られたものだから、間違いない。もう一度作ればはっきりする」

 こともなげに提案されたが、無茶だ。

「ですから、花氷を作れないと」
「話していても埒が明かない。手を借りるぞ」
「え、あの」

 何とも人の話を聞かないというか押しの強い人だ。だがカイのようにユキを威圧したり暴力をふるうことはないので、今のところそこまで怖くはない。
 レンはユキの手を自身の両手で包み込む。絵面で言えば優しい触れ合いだが、その手つきやレンの表情からして日課の作業をこなす職人に近く、そこに感情は見えない。カイ以外では恐らく初めて男性に手を握られているが、おかげでまったく恥ずかしさはなかった。
 こうなってしまっては、無視もできない。何故こんな誤解が生じたのかはわからないが、花氷を作ろうとすればはっきりわかるだろう。
 ……ユキが役立たずの徒花であると。
 切ない結論と共に、握り締められた自身の手に視線を落とす。カイと婚約してからずっと一人で練習し続けていたので、魔力の花を作ること自体は慣れている。手のひらに血液を集めて留めるようなイメージをすれば、桜の花が現れるはずだ。もっとも、今は手を握られているので見えないのだが。
 すると次の瞬間、重なった手の中にひんやりと冷たいものが触れた。

「え……」

 魔力の花は物理的な形を持たないのに、何に触れたというのだ。絶対にあり得ないその感覚に、少し震えながらゆっくりと手を開く。
 手のひらに乗っていたのは、小指の爪ほどのごく小さな花氷。透き通った氷でできた、可愛らしい桜の花だった。

「嘘」

 恐る恐る指で触ると、小さな花氷はじゅわりと溶けて消えてしまった。

「これでわかっただろう」

 衝撃のあまりレンの問いに返答できず、ただ花氷が乗っていた手のひらを見つめる。
 ずっとずっと焦がれ、求め続けていた花氷。
 これをカイと作れていたら、婚約破棄されることも、妹に虐げられることも、両親に捨てられることもなかった。そう思うと、知らず涙がこぼれ落ちる。
 だが今更。全部今更だ。
 失ったものはもう戻らない。

「ユキ」

 レンの声にハッと我に返ったユキは、すぐに涙を拭う。

「すみません、私」

 慌てて謝罪しようとすると、それより先にレンがぽつりと呟いた。

「綺麗な桜だったな」
「……はい」

 その一言に、ユキの胸の中がじわりと温まっていく。花氷が作れたことも、褒められたのも、とても嬉しい。

「ユキは花氷を作れないと言っていたが、俺も同じだ」
「公爵様が、ですか?」

 レンは五大公爵家藤宮の当主であり、『氷晶』の二つ名を頂くほどの魔力の使い手。ユキのような役立たずの徒花とは別世界の人間だと思っていた。

「貴族、特に当主が花氷を作れないことがどれだけ問題か、わかるだろう」

 もちろんわかるので、深くうなずく。ユキは皇子の婚約者だったので問題視されていたが、これが当主となれば代替わりさえも検討される一大事だろう。

「そこで提案だが、この屋敷に滞在して俺と花氷を作ってくれないか? 衣食住は保証するし、君が出て行きたいと思った時には邪魔をしないと約束する」
「公爵様と、花氷を……」

 花氷は魔力を持つ貴族の男女ならば誰でも作れる可能性を持つ。ただ夫婦や恋人の方が圧倒的に良質な物を作れるので早期の婚約が推奨されている。ユキの場合には一度は花氷を作れたので可能性に縋りたかった両親と、花氷が作れずに破談という不名誉を避けたいカイによりずるずると婚約が続いていただけだ。
 夫婦の相性は良くないが離婚できない場合、あるいはたくさんの花氷を必要とする場合にはパートナーを作ることもあると聞くし、花氷作製のための業務契約を結びたいということか。
 花氷ができない苦労は身に染みてわかるので力になりたいとは思うが、即答はできない。

「助けていただいた恩をお返ししたいのですが。でも、もう花氷を作れなかったら……」
「それなら客として滞在すればいい。部屋はたくさん空いている。怪我をした女性を追い出すほど鬼畜ではない」
「そんなご迷惑をおかけするわけには」
「では、花氷ができるよう頑張ればいい」

 何とも楽観的というか、他人事というか。レンもずっと花氷が作れなかったと言っていたのに、あまり気に病んでいない様子なのが不思議だ。
 少し呆れていると、レンはユキの手を握り締める。条件反射で集中して花を作ると、再び手のひらには小さな花氷が乗っていた。

「問題ない。ユキなら……ユキと俺なら、できる」

 本当に花氷がある。その事実に、一度引いたはずの涙が再びこみあげてきた。
 ずっと役立たずの徒花だと否定され、どうせ駄目だと諦められて、誰も期待していなかった。
 ただ一人レンが、レンだけが。ユキを信じて背を押してくれる。
 それが、とてもありがたい。

「……はい。これからよろしくお願い致します、公爵様」

~~~~~~~~~(続きは本編へ)~~~~~~~~~~
一迅社文庫アイリス11月新刊 著者サイン本の販売情報です。
書泉オンラインショップ様にて、11月新刊著者サイン本を販売予定です。

■販売開始時間:11/20(木)11:00~
https://shosen.tokyo/


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※商品に関しましては限定数のためなくなり次第品切れ、終了となります。品切れの際は申し訳ありません。