世田谷パブリックシアター。
通称「世田パブ」。
 お酒をのむパブじゃないですヨ。
 
ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ
 
最寄り駅は三軒茶屋。
 
その世田パブのこじんまりした劇場が、シアタートラム。トラムは路面電車の意味、東急世田谷線の隣にある劇場です。
 
東京の小劇場では人気があります、トラムは。ただ、椅子がベンチ形式で固いので、2時間を越える芝居だとつらいというひとも多いですが…。
 
 
さて。
歳のせいか夏が苦手になってしまい今年もぐったりしていたのですが、がんばって行って参りました。
 
『チック』
 
 
こんなかわいいチラシだけど、子ども向けというわけではありません。
 
原作は児童文学です。
が、現代社会ドイツの社会情勢がよくわかる。
日本ではこういう作品の上演はあまりないです。
 
主人公の少年チック(tschick)は14歳。
ロシアからの移民です。今は兄とどうにかこうにか生きている感じのよう。
ドイツに、ロシアからの移民がいるんだなぁ~って思いました。
 
このチック役が、柄本時生くん。
ときおくんが出るからこのチケットを買いました。
お父さんの柄本明さんと、発声や間合いがよく似てます。
 
チックの友達マイクも14歳の男の子。
篠山輝信くんが演じています。
とにかくセリフが多い役。ほとんど一人で喋ってます。篠山くんは稽古のあとに何時間も居残って自主練していたそう。
なのにキャプションがときおくんの後なのが気の毒でもあります(笑)。
 
タイトルが『チック』だからしかたないのか…?
 
爆笑爆笑爆笑
 
原作をそのまま全部のエピソードを台本にしてあるので2時間以上あります。
長い芝居はそれだけで難色を示すわたしですが、この作品に限ってははしょらないからこそわかる。全体を通して作者が伝えたいことがみえてきます。
 
少年たちの夏の冒険物語、とするには惜しいテーマが作品に流れているんです。
 
それは、
社会情勢によってひとはさまざまな影響を受ける。それでも生きのびていくこと。そのとき大事なものは何か、何を大事にして生きて、そして死んで行くか。そういうことを我々に投げかけています。
 
 
圧巻なのがあめくみちこさん。
 
つい数ヵ月前にもKAAT『春のめざめ』で、どうしても彼女に目がいく芝居を観たばかり。
 
わたしごときが言うのも失礼なのですが力のある俳優さんです。
それでいて顔がキュートという魅力もありうらやましい!(笑)
もちろんギャグセンスもバツグン!
 
 
あめくさんは、マイクの母親役も演じています(ほかに何役もあります)。
 
マイクの母親はアルコール依存を治療するために治療施設へ、父親は外の女性とバカンスへ、マイクは家に残されます(父親が生活費は彼に渡していました)。
その間にマイクとチックは車で旅に出ましたが車を黙って拝借した(盗んだ)ために裁判にかけられて、幸いにも友人二人にとって悪くない判決が下ります。
 
 
裁判が終わり、家に帰ったマイクと母親のシーン。
このあめくさんを観たらもう涙がとまらず、、、参りました。
 
今はアルコール依存で怒鳴ったり家中のものをプールに投げ込んだり、おかしくなってしまったマイクのお母さん。
 
でも、マイクがこんなに素敵な少年に育ったのは母親が大事に育ててきたからだ、とわかる。
一瞬であめくさんの後ろにそれが見える。
彼女が若い母親だったころは幸せに暮らしていて大切にマイクを育てていた。それがなにかのきっかけでアルコールに依存するようになったとわかる。
見える!
 
凄い役者はすごいポーン
 
 
 
 
もちろん、そこへいたるまでに役者や関わっているみなさんが積み上げてきたからこそ生きるこのラストシーンですよ~グッ
 
 
↓芝居はたいてい一人で行きます
 
「世田パブ」のHPにあらすじも書いてあるので、興味のあるかたはこの記事の下からお読みください。または、原作を手にとってみてください。
 
 
もう一回観ても泣くのか?自分を試したかったこともあり、次の日に性懲りもなく(体調が悪くてヘロヘロだから)、またチケットをインターネット購入、、、キョロキョロ
 
を誘ったら、ご子息も行く!と言ってくれてこんなふうに↓
 
結果、
二度目でもやはり泣いてしまいました。
 
こういう作品に出会うので、観劇はやめられません。
 
 
『チック』は毎夏に上演したらいいなぁ~と思います。
 
 
そうそう。
アフタートークで、翻訳・演出 小山ゆうなさんを拝見しました。
お若くて美しくすてきな方!
彼女の他の芝居も観たくなりました。
 
 

世田谷パブリックシアター『チック』

【原作】ヴォルフガング・ヘルンドルフ

【上演台本】ロベルト・コアル 
【翻訳・演出】小山ゆうな 
【出演】柄本時生 
篠山輝信 土井ケイト あめくみちこ 大鷹明良

【美術】乘峯雅寛 

【照明】成瀬一裕 

【音響】尾崎弘征 

【衣裳】樋口藍
【ヘアメイク】馮啓孝 

【演出助手】五戸真理枝

【舞台監督】髙橋良直

 

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