芥川賞作家・安部公房の原作小説を実写映画化した『箱男』原作小説も1973年の作品で、27年前に映画化が頓挫しお蔵入りになっていた企画が主演・永瀬正敏や浅野忠信・佐藤浩市などの当時予定されていたキャストを再集結して安部公房生誕100周年の今年、悲願の公開となったみたいですね

大人男性がすっぽり収まるサイズの怪しい段ボール箱を被り、箱に開けられた覗き穴から人々をウォッチしながら都会を徘徊する謎の箱男と、箱男を狙う暗殺者や、箱男の箱を購入しようとする美女、箱男に成り代わろうとする男たちとの攻防や出来事、彼の心情を綴った手記を巡るお話です。

なぜ彼が箱男となったのか、箱男とはなんなのか、現実なのか妄想なのか、観ている側も、何が起こっているのか、何がしたいのか意味がわからなくなるような展開でサスペンスなのか、コメディなのか、社会派映画なのか、なかなかの謎映画でした

風貌からも蔑まれている謎の箱男が実は都会をひっそりとウォッチしているので誰よりもいろんなことを知っていて、迷宮入りするような事件の解決の糸口を握っているみたいなミステリーサスペンス的なのかと思いきや、都会を覗くシーンは冒頭だけで大半は彼を付け狙う暗殺者や箱男の固執する男たちのおかしな生態に、バトルシーンもネタにしか見えず、ちょっとB級特撮アクション

な印象。。。オチも予想通りな感じです。

★★★☆70点

登場人物はさほど多くないのですが、それぞれの正体や説明もあまりされない上に、あっさり退場していくので消化不良なのは否めません