心臓に疾患をもち、余命10年と宣告された娘の命を救うため、人工心臓そして、IABPバルーンカテーテルの開発に人生を捧げた町工場の社長とその家族を描いたドラマ映画『ディア・ファミリー』

フィクションのような設定ですが、実際に同様の境遇から、日本初のバルーンカテーテルを開発し、国産シェアNo.1の医療機器メーカーとなった「東海メディカルプロダクツ」の創業者筒井宣政とその家族をモデルにした清武英利のノンフィクション小説『アトムの心臓』が原作だそうで、脚色はされているようですが、縦割りで保身優先でリスクを取らない大学の研究施設の現実、認可までの臨床実験にかかる莫大な費用など、命を左右する医療機器の実用化の険しい壁などもリアルに表現されていて、そうした数々の逆境にも関わらず娘のために家族一丸で諦めず、自らの技術を駆使して常に次を考えて、ついには夢を成し遂げた実話を元にしているだけに説得力もあって、泣かせにくる映画とわかっていても万感胸に迫る想いもあり、涙してしまいますね。。。

★★★★☆90点

命を救いたいという同じ想いでも、他人事と自分事では覚悟も全然違うわけで、なにかを成し遂げるには、自分事として、そうしないといけない状況に追い込まれているか、または何を犠牲にしてでもそれをやりたいと思って本気で取り組めているか、なのかもしれません。

インタビュアーで登場した有村架純が最後の良いとこ全部持っていったなぁとちょっと思いました。。。

昭和のレトロな街の雰囲気が秀逸。最近の映像技術もホント進歩したものです