少女失踪事件の渦中で娘を探す夫婦が報道やSNS等の虚偽入り交じる情報にさらされる様を描いた社会派ドラマ『ミッシング』

主演の石原さとみが、娘を失い、有力な情報もないまま時間だけが過ぎていく中で、失踪時娘を弟に預けて好きなバンドのライブコンサートに行っていたことを叩かれ、過剰に反応して炎上するなど追い詰められて狂乱していく母親を熱演する様はかなり真に迫るものがありました。

ヒステリックになる妻を普通なら同じ様に感情的になって修羅場と化すところ、なだめて冷静に諭し、時に感情的になるときも、言い過ぎてしまった瞬間に自身のワードチョイスの間違いに気付き、気持ちを抑えてむやみに責めない夫役の青木崇高が本当にいい旦那だなぁと思います。

少女と最後に一緒にいて、容疑者のようにも見える挙動不審な弟の事件当日の不審な行動、事件後の夫婦の様子を特集を組んで報道するローカル局の取材記者・砂田(中村倫也)の、自身は事実を伝えたいのに局からの要望で視聴者の喜びそうなゴシップネタを求められて葛藤する様もあるあるな話で、誰しもこういう境遇に陥ったら大抵はこうなるだろうなぁが本当にリアルに詰め込まれています。★★★★80点

フィクションですが、実際も多分こんな感じだろうなぁと思える内容で、事実確認もされていないのに好き勝手に解釈して、安全圏から容赦なく攻撃し、心無い悪戯も後を絶たず、人の不幸がそんなに面白いのか、世知辛い世の中だなぁとづくづく思います

ちなみに、被害者家族の現実を描いた話なので失踪事件の結末は語られません。。。