20年前に起きた幼馴染の不審死と殺人事件。それぞれの罪を背負った20年後に新たな殺人事件と共に再会する、高良健吾主演のノワール・ミステリー『罪と悪』

仲の良かった4人の少年の一人が不審な死を遂げ、3人がその犯人と思しき男を問い詰めようとした果てに殺害してしまいその罪を一人で背負って捕まってから20年後、少年院を出てから半グレ者達を集めてコンビニ、飲食店や建築など手広く事業を立ち上げた坂本春(高良健吾)、殺害した友とその罪を被った友を止められなかったことを後悔しながらも街を出て刑事になって20年ぶりに地元に戻ってきた吉田晃(大東駿介)、友達が罪を被ってくれたことに負い目を感じながらひっそりと農家を営む朝倉朔(石田卓也)の3人は以来全く関わることなもなくなっていたが、春のグループと関係する少年がヤクザどのいざこざの果てに殺害され、その遺体が幼馴染と同じ殺され方だったことから再び20年前の因縁の真相に迫ることになるお話ですが、正義感の強い晃が犯人を追い詰めるような勧善懲悪な真相解明ミステリーではなく、タイトル通り、過去の闇に罪を重ね続けてきた者と、悪に手も染めながらも必死に生きて来た者、願っていた友との再会の果ての悲しい結末はなんとも言えないものがありますが、秀逸なまさにノワール・ミステリーでした

★★★★85点

展開としてはありがちなものでもありますし、多少強引にこじつけている感じもしますが、20年前から張り巡らされていた伏線を次々回収して意外な真相に辿り着くところはかなり練られてるなぁと思いました。

春の率いる半グレ軍団も、彼らと揉めるヤクザも、多少の悪さも目をつむり上手く統治する地元警察幹部も、この街中悪いヤツだらけですが、20年前から同じような事をして罪を重ねながら平気な顔で欺いてきていた真犯人が一番悪だと思うとある意味勧善懲悪なお話かもしれません

しかし、この結末でヤクザの会長納得するのですかね?