世界人口が激減し、種を守るため獣人やサイボーグなどの多様な種族が、「クラスタ」と呼ばれる城壁に囲まれた閉鎖都市でそれぞれ隔離され、AI による監視下でクラスタ間の行き来も制限されている中で、それぞれのクラスタでは馴染めない者を別のクラスタへ移動させる“逃がし屋”を描いたフジテレビの深夜アニメ枠で放映されていたTVアニメ「エスタブライフ グレイトエスケープ」の流れを汲むシリーズ作品『BLOODY  ESCAPE  地獄の逃走劇』

この劇場アニメの主人公は新宿クラスタでヤクザを殺害し逃亡の末、人形町クラスタに隔離されている不死のヴァンパイア族に拾われ、自らもヴァンパイアとなり、改造手術で、体の一部がサイボーグとなったが、その血がヴァンパイアに致命傷を与える事からヴァンパイアの不滅騎士団に命を狙われているキサラギ。

“逃がし屋”の助けで命からがら新宿クラスタに戻ってきたキサラギがかつての友人とその妹に助けられるも、結局かつてキサラギが殺したヤクザの一家、ヴァンパイア族両方から命を狙われ、再び新宿クラスタから脱出し、あらゆるクラスタへ繋がると言われる横浜クラスタへ向けて友人の妹ルナルゥと不滅騎士団の捕虜ジャミとともに地獄の逃避行を繰り広げるバイオレンスアクション。

タイトルはちょっと古くさい感じですが、こういう世界観やサイバーパンクなSF アクションは好みです。★★★★80点

高い戦闘力と、ヴァンパイアを殺せる血と言う最強の武器を持つキサラギも、一定期間内にヴァンパイアの血を飲まないと死ぬと言う弱点もあるのですが、うまく捕虜とした頭の弱いヴァンパイア兵士ジャミの存在が思ったより大きかったですね。加えて義足のハンデの中で、敵のヴァンパイアの長・転法輪の超人化能力と振り回す高火力のガンブレイド“月輪長巻無反動砲”、懐刀の二重人格の気流を操るヴァンパイア・ララック&ノノックの猛攻に苦戦を強いられるなど、単に無双展開ではなく、中二病好みの設定も本当にバランスよく作られています。

ヤクザ×ヴァンパイア×サイボーグの異質な三つ巴に、TVアニメ同様に活躍する逃がし屋のメンバー達の助けによる逃避行と激しい戦闘の果てに待つ未来には果たして救いはあるのか最後まで目が離せません。

カバネリ好きならこれも絶対イケるはず。