高齢者専門の会員制売春クラブを題材にした問題作『茶飲友達』

新聞の「茶飲友達募集」三行広告に電話するとティーガールズと呼ばれる高齢のコールガールがやってきて、お話相手になってくれ、高額な玉露コースを選択すると、特別なサービスが受けられる高齢者専門デリヘルを運営する元風俗嬢の“マナ”を代表とする若者たちとそこで働くティー・ガールズの高齢女性たちの日常を描いたお話です。

実際にあった摘発事件が元になっているそうですが、マナの目指す、行き場を無くした者たちがファミリーとなって幸せに暮らせる場所を作るため、連れ合いを亡くしたり、子供も手を離れ、介護していた両親も亡くなり、あとは死を待つばかりの目的を無くした老人たちの孤独と寂しさを紛らわす需要と供給にうまくマッチしたこのサービスは、これがひとつの生きる支えになっているなら必要悪ともとれますが、法的にはアウトなので、一見上手く行くんじゃないかと思わせて結末はやはりという流れ。。。実際にあり得る話だけに、この誰も幸せにならない救われないルールってなんなんでしょうね。。。

★★★★80点

マナが目指していた家族の形を真っ向から否定する心ない警察の台詞は、正しい事を言っているのですが、優しくないですね。。。


高齢化社会の孤独な老人たちにとって一体何が幸せになるのかを問うなかなかに辛辣な内容で、老人たちだけでなく、マナやその仲間の若者たちも何かしら問題を抱えていて、妊娠させておいて責任を取れないと断言する屑な不倫相手との認知問題、余命僅かの母親との確執など、普通にありがちな問題だらけで、本当に世知辛い世の中だなぁとつくづく思います

ただ、あれだけマナに世話になっておきながら、最後はあっけなく去っていき、結局頼れるのは血の繋がった家族でしかないのかという結論もなんだか淋しい結末でした。。。