アメリカ映画界に大きな影響力を持つ大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインが長期に渡って行って隠蔽されていた性暴力事件の告発記事を掲載したニューヨークタイムズの女性記者の地道な取材と加害者側との闘いを描いたノンフィクションドラマ映画『SHE SAID/その名を暴け』
ハーヴェイが創業したミラマックス作品にも出演する著名な女優やアシスタントたちが実名で詳細に告発したことをきっかけに、同じような悩みを抱えていた女性たちが「私も」と同調したことで世界的にエンタメ業界のセクハラ問題が浮き彫りになった「#MeToo運動」に繋がった実話を映画化したものです
権力を笠に着て欲望のままに強引に行為におよび、業界に居られなくなるぞと脅して、守秘義務契約まで結んで示談で黙らせる卑劣な手口に加え、業界は元より政界にも影響力の強い存在だけにスキャンダルの揉み消しにも余念がなく、当時は金と権力を持つ誰も逆らえない絶対君主だったんだと思いますが、ホントにひどい話です。数々の名作も送り出してきた凄い人だったのかもしれませんが、演技力など才能ではなく、自分に従うかそうでないかで外していくとか、観客を楽しませるエンタメを創るトップがこんな有り様で良いものが創れるわけがないのに何でこうも長期に渡って野放しだったのか、悪いのは当人だけでなく、そういうのをのさばらせてきた周りにもあるとなかなかに考えさせられます
★★★★80点
告発する側は立場も弱く、自身が晒され、告発後の処遇も守られるとはいえアンチも当然にいるのでリスクは図り知れず、なかなか自らオンレコでは出てこれないですし、(オフレコでも大抵は自身に被害が及ぶのを避けたいのでやらないでしょうし)被害者側に相当な覚悟が必要なのはなんだか悩ましいところですよね。
こうしたセクハラ・パワハラといった問題は会社内などでも度々ニュースなどで取り上げられるので、さすがに今時はここまであからさまなことをしでかすような上位役職者はあまりいないかと思いますが、自分はそのつもりがなくとも、立場の低いものからすれば断りにくいことも多々あり、嫌ならいえば良いのになんて無責任なことをいうことを言っちゃったりしたら問題になったりますが、ハラスメントにならないよう、周りからどうとらえられるか、受ける側がどう感じるかを意識しておかないとなとつくづく思います。。。利己的な考え方はホント危険ですね。。。