特定の主張を有する団体が政策に影響を及ぼす私的な政治活動を行うことをロビー活動と言いますが、それを生業とする"ロビイスト"と呼ばれる職業にスポットを当てた政界スリルサスペンス『女神の見えざる手』

アメリカでは昨年公開されてた映画ですが、日本では一年遅れて10月20日の公開。ロビイストと言うと日本ではほとんど馴染みのない言葉ですし、ロビー活動と言うと癒着とか利権がらみのダークなイメージが強くて、国民のための政策操作って感じではないですし、争うテーマも銃規制法案が題材で、いくら資金力があるからとはいえ、銃規制反対勢力が有利と言うのもなんでなんだろとか、日本だと正直ちょっとピンと来ない感じもありますが、それでも、次の一手が全く読めない、息もつかせない激しい攻防に、ピンチも読みきって、相手の上の上を行く、この映画の主人公の女性ロビイスト、ミス・スローンの計算し尽くされた天才策士っぷりにはホント脱帽。ロビー活動とか政治の駆け引きとか良くわからなくても、手のひらで踊らされてるってのはこういうことかと思わせられる一本★★★★☆95点
やり方は正当とは言いがたく、仲間が傷つこうが、勝つためには手段を選ばないですが、単に自身の利益のためでなく、自分すらその駒の一つとしてある意味命を削って勝利を勝ち取るその信念と予見力には、ロビイストってここまでやんなきゃ一流と言えないのかと見終わったあと「スゲェ」しかない。切り札は相手が切り札を出したあとに札を出す。なるほど・・・
主役を張ったスローン役のジェシカ・チャスティン。最初から最後までしゃべり倒しで、仲間にすらその手の内を見せない孤高のロビイストっぷりはホントスバラ。一番凄いのは彼女かも(笑)
かなり当たりな作品です