遠くの家族より、近くの他人 | 一期一縁  人生で一度きりのご縁を大切に

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地域包括支援センター職員のつぶやき

こんばんは、訪問ナース真紀です。

 

関東地方など、普段雪の降らない地域で

積雪となっているようですね雪

 

雪道での転倒やスリップなど

気をつけてくださいね。

 

 

今日のテーマは

「遠くの家族より、近くの他人」

 

よく耳にする言葉ですね。

これ、在宅介護の現場では

本当によくある話です。

 

家族はみんな遠方に住んでいて、

年に数回しか帰省しない。

普段は高齢者世帯、もしくは独居。

そんなお宅がたくさんあります。

 

何かあったとしても、

遠くの家族をあてにはでいないものです。

 

となると、やはりその方の生活を

支えるのは「近くの他人」です。

 

ケアマネージャーさん、ヘルパーさん、

デイサービスのスタッフさん、配食サービスの方、

訪問看護師、在宅医、そしてご近所さん、

民生委員さんなどなど・・・

 

本来であれば、ご家族が行うようなことでも、

ケアマネージャーさんや、民生委員さんが

代行するようなことも多々あります。

 

私が担当している方にも、そのような方が

いらっしゃいます。

お子さんたちはみなさん関東地方で

生活されています。

市内に兄弟はいますが、お互いに

高齢であり、病気もあり、行き来するほどの

おつき合いはありません。

 

この方は認知症ではないので、

受診などもおひとりで行っています。

でも、ここ最近、先生や看護師さんに

言われていることが難しくて

よくわからなかったり、

質問されても答えられなかったり、

なにかと困る場面が増えてきました。

 

となると、私の出番です。

私達は「訪問看護師」なので、

ご自宅へ伺って看護を提供することが

基本です。

しかし、このような場合、

この方の受診に同行できるのは

私しかいません。

ほかの訪問の時間をやりくりして、

その方の受診に同席し、

病院側とのやりとりをします。

 

また、ほかにも、薬をもらいに

来ることができない方の所に、

お薬を届けたり、

認知症で物の管理ができない人の

書類や郵便物の整理を行なったり、

場合によっては、ゴミ出しも行ったりします。

その家の中のこと(物の置き場所など)も

時として家族より詳しかったりします。

 

このようなことは、本来

訪問看護師の仕事ではありません。

でも、その方の生活を支えるためには

やむを得ない事情もあるのです。

 

このように、今は介護保険という制度が

あるおかげで、家族がいなくても

自宅で介護保険サービスを使いながら

生活をすることが可能です。

高齢者世帯や独居の方にとって、

なくてはならない支援といえます。

 

でも、中には、家族がいるのに、

介護できる家族がいるのに、

何の協力もせず、サービス任せに

しているお宅もあります。

 

 

これからは、介護を必要とする人は

もっともっと増えていくでしょう。

そして、働く人、ヘルパーさんや看護師などは

減っていくでしょう。

今と同じようにサービスを利用していくことが

できなくなる時が来るでしょう。

 

そのためには、他人事と思わずに、

みんなが自分にできることで、協力し合い、

お互いに支え合っていく体制作りが

必要なのではないでしょうか。