第7章 韓国ドラマ映画 
261.どうする家康❷
 
 
今年1年間の大河ドラマ『どうする家康』無事終了しました。そして12月29日、4時間に掛け総集編が一挙放送されました。
1年間私は大河ドラマも他のドラマ同様1.5倍速で視聴完了しましたが、総集編は何の気まぐれか(贖罪の意味も込め:笑)等倍速で視聴することにしました。
大河ドラマ関連のニュースも連日多く眼にし、1年間感じることも多かった2023年の大河ドラマ、ココに視聴感想を述べさせて頂きます。

 

 

今回総集編を観ての感想は一言で「思いのほか重厚で見応えが有った」で有り、まさに保存版の如しです。
35時間もの長さに及ぶ本編から枝葉を取り除きギューッと4時間余りに濃縮したスマート感が良いです。
取り除いた部分には「無駄にコメディー化した」部分も含まれますから、今年の大河ドラマの好き嫌いは一番に過度にコメディー化された描写に有ったと思われます。

 

 

総集編のナレーターも代わり、重厚な叙述によりドラマのテイストがガラッと変わりました。
私は1年間、寺島しのぶ(春日局役)のナレーターがテンポ良く軽やかで良いと思いましたが、彼女のナレーションは軽くふざけた調子が多く視聴者の好みが分かれる様子だったので、総集編では忍びの大鼠役で出演しクールな演技が話題になった松本まりかが重厚にナレーションを行う事に逆に疑問府が付き纏いました。
何故変更する必要が有ったのか?今さらの方向転換か?など…

 

 

今年の大河ドラマ『どうする家康』、視聴率歴代ワースト2と言う結果が話題の中心になりましたが、リアルタイム以外の視聴、録画や配信での視聴は好評だったそうで総合指標では近年トップクラスだったとのNHKの発表がつい最近有りました。
確かに夜8時の地上波の本放送の前に今年始まった昼12時からの4K放送、夜6時にはBS放送が有り、次の土曜日には地上波再放送、NHKプラスで1週間見逃し配信放送が有る事を考えると地上波のリアルタイム視聴率を問題視することは全くナンセンスの様に感じます。
かく言う私も毎年大河ドラマは皆勤賞ですが、6時からのBS放送を録画の上追っ掛け視聴をして居ますから。地上波放送など10年以上ご無沙汰です。

 

 

月並みですが、今年の大河ドラマが振るわなかったワケを箇条書きにして見たいと思います。
❶当初から主役の松本潤が現代顔過ぎて徳川家康に見えず、軽い青年像が没入感を妨げた点。
❷ 今迄のステレオタイプのイメージ打破を壊そうとチャレンジした、途中までの「弱虫で優柔不断な家康」像が受け入れ難かった点。
❸CG多用など新たなチャレンジが重厚感を削ぎ軽薄に感じた点。
上記のこうした点により初期に大河ドラマを離脱してしまった視聴者が多かった点などを挙げられます。
❹次に私の個人的な意見ですが、ココで忘れてはいけない要素として、決して「家康」は日本人が手放しで好む人物では無いと言う面です。戦国三大武将の中でも人気度は最低です。

 

 

以前にも述べましたが、江戸時代とその時代を覆した薩長政権により江戸時代と徳川家康像は歪められ、最後に政権を攫(さら)ったタヌキ親父のイメージが長らく支配して来ました。
そのイメージを壊して空前の家康ブームが起こったのは1980年代山岡荘八の小説『徳川家康』の上梓に依る所が多分に有ります。
確かに「大阪冬の陣」「夏の陣」を見る限り家康を手放しで賞賛する事は不可でしょう。その様な人物の生涯を、上記の阻害要因を甘受してまで1年間視聴するパッションは与えられなかったのでは?と想像します。

 

 

❺そして良く言われる様に、築山殿を演じた有村架純のイメージに合わせてか歴史的事実をメルヘン化した事により、歴史的リアリティを望む視聴者をおざなりにしてしまった点。
❻旧ジャニーズ性加害問題や主演のパワハラ、脚本家の問題や軋轢など、舞台裏の出来事が全部マイナスに動いてしまった点も残念だったと思います。

 

 

総集編を観ると1年間視聴して居て理解し辛かった大きな流れを多少は理解出来ました。今年の大河ドラマのシナリオと脚本家を批判する言葉として、脚本家の古沢良太氏が「11話前後のトレンディードラマを執筆して来たせいで47話にも及ぶ長丁場の重厚なドラマを一貫したひとつのモチーフに沿って描くことが出来なかった」「弱虫で優柔不断な家康が人間的に成長した過程が描かれて居ない」と言う評価が有りました。

 

 

それに関し私自身も「当たらずも遠からず」と言う感想を持ちましたが、総集編を観ると印象が変わります。
メルヘンの「築山殿事件」を通じて家康が織田信長に殺意を抱き、彼を「克服・止揚」すると言う目標を抱いた時点で頭髪を剃り(今さら感アリですが)、おふざけのドラマが真面目なドラマに変換した印象。
実際、頭髪を剃った以降の家康の風体は我々が知る家康像に近い感が有ります。
この間の視聴者レビューを覗いてみてもその様な書き込みを散見しました。

 

 

残念な点はその成長を観る事無く初期にリタイアしてしまった視聴者が戻って来るには、長丁場の大河ドラマはハードルが余りに高いと言う事実です。
実際、弱虫で優柔不断な家康が「愛する妻、瀬名が描いた争いの無き世の中を実現する」と言う後半生の描き方も、戦国時代と言う時代性を無視した余りに現代的なメルヘンと言えますが、そもそもドラマや映画などのエンタメ自体、現代の我々の要請から出発して居る事を鑑みると、それはそれでフィクション(創作物)として作家が伝えたいメッセージとして受け取るべきで有り、そこまで目くじらを立てる必要は無いのでは?と思ったりします。
大河ドラマはあくまでエンタメで有り、家康の真実の生涯をドキュメンタリーの様に辿る事が主目的では無いのですから。

 

 

最近読んだドラマレビュー記事にも有りましたが、そもそも今年の大河ドラマ、家康では無しに『戦国の女たち〜瀬名とお市と淀殿』とでも題し、女性陣特に北川景子演じたお市と淀殿こと茶々を主役にした方が良かったかも知れません。
以前放送した上野樹里主演の『お江』とダブったかも知れませんが(笑)。

 

 

そんな色んな事を考えさせられた今年の大河ドラマ『どうする家康』ですが、私が一番好きな日本史の武将と言う事で1年間楽しませて頂きました。
来年は紫式部『源氏物語』題材の『光る君へ』との事。
『源氏物語』、現代語訳の小説版は読みましたが、どの様に描かれる事か歴史オタクとしてシッカと見届けたいと思います。
では。
 
レビュー記事❶はコチラ

 

 
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