第7章 韓国ドラマ映画 
224.シン・仮面ライダー❷
 
 
 
さて、昨日4月9日日曜日、上記映画ヒット御礼舞台挨拶が行われその模様が全国リモート生中継されると有り、映画を再視聴したい私としては丁度良い機会だったので、イヤがる息子をアメとムチで説得、どうにか付き合ってもらい 2回目視聴に行ってしまいました。

 

 

視聴する前から売店で既にボルテージが上がり、クールな息子に「アッパ、テンション高いね。店員さんの方がひいてたよ」と言われてしまう始末(笑)。
 
事前に、私が前回書いたレビュー記事を息子にも読ませたので、用語などを事前勉強出来て映画を理解し易かったそうです。
やはり男の子なのか家内とは異なり、昔の仮面ライダーを知らずとも映画が面白かったそうで、最近の令和ライダーが観たいと宣(のたま)っておりました。

 

前回のレビュー記事はコチラ

 

楽しみにして居た第4弾入場者プレゼントのショッカーIDタグは、私はコウモリオーグ、彼は下級構成員ショッカーで、「仮面ライダーのIDタグが欲しい〜」と性懲りも無く訴えて居ました。

相も変わらず諦めの悪い性格、一体誰に似たんでしょうか?(笑)

 

家に帰り、NHKで土曜日放映した旧作第1話NHKプラスで放送した映画の冒頭30分を家族揃って視聴しました。

おかげ様で、昨日は「シン・仮面ライダー」日和になりました。

 

 

私は高価なドリンク・ホルダーや、仕舞いにはフィギュアライズスタンダード 『シン・仮面ライダー』色分け済みプラモデル を購入したので、家に帰り夜3時間ばかり掛けて完成させてしまいました。
 

完成品は我ながら惚れ惚れする程の腕前で、『昔取った杵柄』では有りませんが、集中力と手先の器用さを「自分で褒めて上げたい」位(笑)の出来でした。

 

 

ちなみに、私は視力1.5で老眼も一切有りませんので、細かい説明やピンセットによるシール貼りも難なくこなせます。
 
所用時間も、持ち前の集中力で約3時間弱でしたから、60歳手前のオヤッサンにしては良い方でしょうか?(笑)

 

<コレが作品です>

 

こうしてすっかり映画にハマってしまいましたから他の事が手に付かず、『韓国朝鮮歴史のトリビア』と言うブログに投稿する内容が全く頭に浮かびません(笑)。
なので、今回もう一回だけ映画レビュー記事を書かせていただき、心の区切りを付けたいと思います。
その代わり、なるべくシリアスな内容を中心に。
 
 
今作の『シン・仮面ライダー』について何から何処まで語るか言葉が尽きませんが、ひとつ庵野監督の意図が見え隠れする観賞ポイントが有ります。
 
それが、本作のキャッチコピー「変わるモノ。変わらないモノ。そして、変えたくないモノ。」です。

 

 

何が初代「仮面ライダー」と変わっていて、何を庵野監督が変えたく無かったのか、鑑賞者により解釈が別れる事とは思いますが、まずは「大きく変わったモノ」としてやはり「敵組織であるショッカーの目的」でしょう。
 
初代「仮面ライダー」におけるショッカーの目的は「世界征服」という、とてもわかりやすい「悪」でした。
石ノ森章太郎による漫画版でショッカーは「人間のロボット化の計画」も実行しようとします。
前回の記事にも書きましたが、原作マンガでは年齢層の高い読者層を意識し、途中から公害問題を扱うなど、社会派の要素が強くなって行きます。

 

 

マンガ版の後半のエピソードでは、日本政府と電子機器メーカーが「人間ロボット化計画」を推進しようとしていて、その前段階として、国民にコード番号を与えて管理する「コンピュータ国化計画」が国会で審議されているという内容が描かれます。
コレはまるでマイナンバーの様ですが、この様に国民を操る『政財癒着』が描かれるなど、50年前の少年マンガでこういう世界が描かれるとは驚愕する事然りです。

 

<高価なドリンクホルダー>

 

余談で、昨日の舞台挨拶で監督の映画「続編」計画の構想が明かされましたが、上記の「国家による陰謀」に近いイメージが明かされ、会場内に大きなどよめきを与えました。
それを聞き私は直ぐさま、日本での「政治と悪の組織の癒着」を連想しました。
それについては後述します。

 

 

話は戻り、しかし原作とは打って代わり今回の『シン・仮面ライダー』では、ショッカーが倒すべき悪である事に変わりは有りませんが、組織の謳い文句として「人類の幸福のため」という大義名分を挙げており、その言い分は今まさに日本で問題となっているカルト宗教を思わせたり、「疫病」についてコロナ禍にリンクしている所も有るなどの設定が目を見張ります。
 
この様に、初代の設定からショッカーの目的を大胆に変更し、現在日本でも大きな社会問題になって居る「宗教問題」をクローズアップさせるモチーフに設定した事がとっても目新しいです。

 

 

さて、日本で「宗教問題」と言えば古きは「オウム真理教」ですが、記憶に新しい所としては、安倍晋三元首相と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の癒着でしょう。
昨年、日本では宗教、特に旧統一教会(世界平和統一家庭連合)を含む「新興宗教」と政治の関係が大きく取り沙汰されましたが、そのキッカケは皆さんご存知の通り、安倍晋三元首相の銃撃犯が安倍氏を狙撃した理由を「安倍氏が(彼の)家族を破滅させた旧統一教会を支援していた」と陳述した事に始まります。

 

 

それまで安倍氏に好意的だった世論が、彼のその陳述により180°変換してしまったイメージが有ります。
元より私は『ウリハッキョ(朝鮮学校)への高校無償化』を政治の道具に利用し朝鮮学校のみ適用除外(不支給)、他にも数々の悪事を働いた彼が好きになれる筈は有りませんでしたが。
 
この問題に関して、自民党が議員と旧統一教会や関連団体との関係について点検し、昨年2022年9月8日に結果を公表した事も記憶に新しいです。
それによると、議員379名のうち何らかの接点があった議員は179名、中でも選挙で支援を受けるなど一定以上の関係を認めた議員は121名にのぼったとの事でした。
如何に自民党と宗教団体が癒着して居るかを雄弁に物語って居ます。

 

 

政治と宗教がなぜ癒着するのかについて専門家は、選挙への協力と宗教団体への加護といった両者の利害関係の一致を挙げて居て、「数としてはそれ程では無くても、宗教団体からの票の支援は非常に固く確実であるため、とても安心感がある為」と述べて居ます。

 

 

❶このように宗教団体が選挙の集票面で機能し、
❷宗教団体は、組織を潰されないよう守るために政治家に接近して来た歴史が有ります。
 
上記の、特定の宗教団体と政党の結びつきについて、宗教学者は「国民を置き去りにし、公共の利益を無視した関係だ」と指摘し、「選挙に協力してもらえるからというだけで、自民党の政治家がそのような教団と関係を持っていたのは、日本の政治史上の汚点だ」と述べて居ます。

 

 

この様に戦後、『政教分離』を叫びながらも宗教が政治に利用される遠因として、韓国も含め東アジアでは大半の人々が『無宗教』で有り、欧米に比べ宗教問題に疎い事、言い換えれば「宗教問題」に慣れて居ない事が挙げられます。
日本や韓国では多くの家で、キリスト教徒ではないのに、クリスマスにはツリーを飾ってお祝いをします。

 

 
神道を信仰しているわけではないのに、正月には神社へ初詣にいき「賽銭」という献金をし、仏教徒ではないのに、その前日の大晦日にはお寺で除夜の鐘をついたりもします。
七五三は神社に行き、結婚式は教会で挙げ、葬式はお寺と、考えてみれば何でも有りです。

 

 

専門家曰く「日本人は、宗教にはきわめて寛容で、悪くいえばだらしない感じすらする」と言います。
勿論これは、柔軟で融通が効くとか、新しもの好きで好奇心も旺盛だとか、韓国人や日本人の良い所の表れですから、一概に否定すべき話ではありませんが、今回の様な事件が起こると『宗教と政治の闇』を思い起こさせます。
 
結局、日本や韓国に宗教の『オーソドキシー(正統的な信仰)』が無い事、つまり基準となる背骨のような宗教がなく信教の自由の幅が大きい為、カルトを問題視したり監視したり批判したりする事が少ない事が今回の事件の背景として挙げられます。
カルトが繁栄しやすい環境が背景に有ると言えるのです。

 

 

世の中に「法的規制」と「社会的規制」がある中で、日本や韓国には「カルトに対する社会的規制」が殆ど無く、機能して居ない事が指摘されており、法的規制も緩みがちです。
 
このような背景により、日本で統一教会と政治家との癒着を生んだ可能性があります。

 

 

映画ではソコまで踏み込んだ内容は描きませんでしたが、先の庵野監督の「続編構想」によると、原作マンガのモチーフで有る、ショッカーと日本政府の「癒着」を描きたいとの弁でしたので、現在の日本の状況がパラレルワールドで描かれるのでは?と想像が出来、コレら事象が心に浮かんだ次第です。
 
映画ひとつ観ても唯、単純に視聴するで無しに現在の社会問題にも心を馳せる必要が有ると、殊更ながら実感させて頂きました。
当分、『シン・仮面ライダー』にハマりたいと思います。
では。

 

 

<参考文献>
『シン・仮面ライダー』が継承した石ノ森章太郎の意図と先見性
『シン・仮面ライダー』賛否両論になる「5つ」の理由|PG12指定だが子どもが観てもいいか?
公益財団法人フォーリン・プレスセンター 日本の宗教と政治
日本は世界最悪のカルトの吹き溜まり…統一教会がデタラメな教義で大金を巻き上げられた根本理由 
 
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