第7章 韓国ドラマ映画
214.イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜❶
 
 
 
 
エンタメ好きな国民性に則(のっと)って日夜制作される韓国ドラマが日本でもリアルタイムで視聴出来る様になって久しいですが、
毎週2回ずつリリースされる新作ドラマ以外にも、旧作で話題だったドラマ無名のドラマなど…多少のタイムラグは有れど随時何処かのチャンネルで新たに放送開始して居るので、
溢れ返る韓ドラの洪水を泳ぐのにアップアップ、正に溺れ死にしそうです(笑)。

 

 

とても全ては消化しきれず、取捨選択せざるを得ません。
 
となると、日本に居る我ら韓ドラ視聴者は、視聴の前に「どのドラマをチョイスするか」がとっても重要な初期行動になるワケですが、自分なりの基準を設けてセレクトするしか有りません。

 

 

おそらく
❶好きな俳優やカップル(相性:韓国ではケミと言う)
❷好きな監督や脚本家
❸好きなジャンル
❹話題性
などを加見して選択する事になるでしょうが、見始めて「やっぱり違う」とリタイアする事も一再ならずでは?(経験者は語る:笑)
 
その中で1番失敗の無いチョイスはやはり本国韓国での視聴率を参考にする事です。
NETFLIXEなどで配信される作品もまずはリアルタイム放送されるので、視聴率が多いに参考になります。
地上波3社以外にも「チョンピョン(総合編成)」と呼ばれるケーブルTV、乱立する配信サービスなど、日本より遥かにドラマ数が多く競争が激しい韓ドラは優劣の差がクッキリ出ます。
そして良いドラマはどんなソースで放送されど必ずヒットします。

 

 

昨年2022年、日本でも配信され好評を博した『ウヨンウ弁護士』はENAと言う名も無い弱小配信サービスで放送され初回視聴率0.94%と言う微々たる数字から始まりましたが、話題が話題を呼び、最高視聴率19.2%、平均視聴率12.8%と言うオバケドラマに成長しました。
まさに昨年度を代表するドラマと言って過言では無いでしょう。

 

 

大まかに言ってホームドラマは除き、視聴率の目安が
❶0.1%〜3%以下は失敗作
❷3〜5%はまずまずの作品
❸6%〜9%、10%弱で及第点
❹10%の壁を破ると注目のヒット作
❺15%以上は大ヒット作品
だと言えます。
 
ここで例外はホームドラマで、常々申し上げておりますが視聴層が盤石なので、特に週末ドラマは前回今回の様に駄作でも20%を切る事は珍しいです。

 

 

さて、今回の『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』はタイトルも意味が分かり辛く、ポスターもキャッチーで南国調(例えばタイの様で多少暑苦しいイメージ)なので観るかどうか微妙でした。
邦題はもう少し何とかならなかったのか?と思います。
特に「イルタ」と言う言葉は置き換えられなかったのかと…

 

 

ちなみに「イルタ일타」とは1等スター講師일등스타강사の略語で、塾で1番人気のスター講師を指す言葉です。
韓国では日常用語で日本以上に略語が氾濫して居ますので、元の言葉を知らないと理解し難いです。
日本で言えば「林修」氏の様なカリスマ講師を指すのでしょう。
 
その講師に降りかかる恋のスキャンダルと言う事でしょうが、『賢い医師生活』チョン・ギョンホ主演のラブコメと言う事で軽く観る事が出来、早速NETFLIXEのデイリーランキングの上位を走って居たので必ず観ようとは思いました。

 

 

しかし、なんせご存知の様に私はブログ記事のメンテナンスに忙しく、家内はオタ活のSNSに首っ引きで、2人とも忙しい身なのでドラマの視聴は二の次で、やっと1話のみ見始めましたが、ジックリと見られずいい加減に視聴してしまいました。
すると、のっけからミュージカルが始まり、親同士のドタバタやヒロイン(オバちゃんっぽい)のお惣菜店のゴタゴタ、韓国の塾の事情などが延々と描かれるばかりで興味を惹きませんでしたので、何と無く遠のき中断してしまいました。

 

 

コレはドラマ視聴全てに言える事(特に韓ドラに顕著)ですが、初回をジックリと真剣に観ないとドラマ内容が良く掴めずリタイアに繋がりかねません。
特に、韓ドラはホームページにも登場人物のストーリーが紹介されて居る程、人物設定や人物背景が詳しく練られており、設定が込み入っている分、些細に見える細かい描写を見逃してしまうとその後のストーリーが理解出来なくなります。
特に重要な事件などが冒頭に何の脈絡も無しに描かれ、その後の重要な伏線になったりするので、韓ドラは何を置いても初回を真剣に観て覚えて置く必要が有ります。

 

 

こう言う手法は視聴者にとって非常に分かり難いので、ビデオに残して置いて後から見直す手も有ります。
配信サービスはその点楽ですが、戻って観る行為自体疲れます(笑)。
 
上記の理由でこのドラマ、しばらく封印してしまって居ましたが、そうこうする内に本国韓国で評判とのニュースが。
慌てて1話最初から見直しました。
すると、思いの外、面白いです。
面白さについては次回のレビュー記事で述べる事にして、ますはお約束の制作意図を。

 

 

イルタ・スキャンダルとは?
 
大韓民国の塾教育1番地の「ノクウンロ녹은로学園街」
その別世界でスターになった一等スター講師(★別名イルタ講師)と
その別世界に遅ればせながら入門した「国家代表のおかず屋さん」女社長の
クラクラと赤裸々なのに温かくて、甘くてほろ苦いスキャンダル。
無限の競争「入試地獄」の現実を背景にした、しかし結局愛の物語。
そして結局「人・間・の・話し」

 

 

家族のために国家代表を下りた不運の運動選手。
そのまま使っても「新派(お涙頂戴)映画」5本も作れるこの女性は
江南8学区の子供たちが塾のせいで
コンビニのおにぎりを食べるのがどうしても心が痛い。
「誰が誰に胸が痛むの?」と思うんだけど、
この女性はそういう女性だ。愛の器が大きい。

 

 

年俸トップのカリスマ(イルタ)講師、ローンなしで購入した
江南の高級マンションが何軒か、BTSも羨ましくない人気、
人生設定自体がインターネット小説の主人公気質の
この男はご飯が食べられない。
 
人間の消化機能を考慮していないタイトなスケジュール、
講義室でアドレナリンを噴出した後、
家に一人戻った時に訪れる空虚さ、
いつ頂上の座を奪われるか分からないという圧迫感と不安感。
「お腹いっぱいなんじゃない?」と言うけど、この男は本当にお腹が空いて居る。

 

 

ご飯も食べられず、眠れず、激しく
席を守る私たちのカリスマ(イルタ)講師の男主人公も
嘲笑してやまなかった塾教育のバックアップに飛び込んだ
我らがおかず屋の社長、女主人公も
この入試地獄の圧迫の中でも友情を交わして、
愛を芽生えさせる私たちの子供たちも
ある意味、人生史の、大韓民国入試残酷史の、
笑える断面じゃないかな。
 
(引用 公式サイト)

 

 

翻訳が何故難しいって、ピッタリ当てはまる説明が見つからないからです。
韓国と日本、それぞれ事情が違うワケで、事情が異なれば表現も異なり、説明が困難です。
特に世界最高・最悪と言われる韓国の入試事情が分からないと理解不能でしょう。
読んで、何となく分かって頂けたでしょうか?

 

 

最近では『SKYキャッスル』『国家代表ワイフ』そして『ウヨンウ』でも受験戦争現場が描かれましたが、韓国での受験戦争の過熱はいまだに異常です。
このドラマはこの様な韓国市民の1番の関心事で有る受験戦争現場を赤裸々に、そしてコミカルに、デフォルメして描いているので人気が有るのでしょう。
テンポが良く面白いです。

 

 

韓国での受験戦争事情も、日本では多少分かり難い面が有りはしますが、充分理解可能です。
まさに『SKYキャッスル』のコメディ版、ラブコメ版だと思いましたが、それにしてもラブコメにしては主演男女の年齢が釣り合わない様な…
 
調べると劇中年齢は不明ですが、主演チョン・ドヨンの実年齢50歳、チョン・ギョンホの実年齢39歳と少々ムリが有りました。
何でカリスマ講師と高校生の母親が恋に落ちるの?と訝(いぶか)しんで居たら、なるほど、何話か目でワケは解明しました。
多分チョン・ドヨンはワザと老けた格好をして不相応にして居るんですね。

 

 

そして、ドラマ『椿の花咲く頃』の成功から一般化したと思われる「ジャンルの合成」、具体的に言えば「サスペンス」要素の挿入も確認出来ました。
この手法、韓ドラでは今や普遍化してしまいましたが、ラブコメに「サスペンス」を合成するとはまさに「禁じ手」で、とってもズルいですよね(笑)。
視聴者はズルズルと番組制作者のワナにハマって行きます。

 

 

前置きが長くなってしまったので今回はコレ位にしますが、3話あたりから眼が離せなくなって来ました。
韓国での反響は4.044%、4.315%から始まった視聴率が私が現在視聴し終わった第5話で10.450%「魔の10%」を突破、現在12話終了で最高視聴率15.958%と、「大ヒットドラマ」の仲間入りを果たして居ます。
 
当分、このドラマと夫婦揃って格闘して見ます。
また、進行と共に出没させて頂きます。
では。
長文、お付き合い頂きありがとうございました。
 
 

 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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