第7章 韓国ドラマ映画
181.ウヨンウ弁護士は天才肌❶
이상한 변호사 우영우
久しぶりに面白く中毒になるドラマに出逢いました。
後を引きます。続きが観たくなります。気が付けば1日で断続的に5話も視聴してしまいました。
後1話で放送に追い付きます。
これは久しぶりの視聴行動で、同じ法曹物の『未成年裁判』が4話目でリタイアして居る事と比べると異例の行動です。
私の個人的な視聴行動などどうでも良いのですが、最近の韓国ドラマは重いドラマが多く、観なければと思いつつ『私たちのブルース』も『私の解放日誌』も途中で止まって居ます。
どうしても1話1話が重い内容なのでエネルギーが必要で、観る前に気合いを入れる必要が生じます。
観る事が必ずしも義務では無く、いつでも観られると思うとストレスが伴うドラマ視聴はどうしても後回しになってしまうのです。
そして、観て楽しいドラマは時間の許す限り連続して観たくなります。
これがサブスクの長点なのですが、昨日も今日が休みである事を良い事に、家内と深夜1時過ぎまでこのドラマを視聴してしまいました。
とにかく中毒性が有り、続きが気になります。
そして見始めると時間が経つのが早く感じ、1話があっという間です。
まだの方は一度お試しを。
私自身は障がい者をテーマや主人公に据えて居るドラマ・映画を好きでは有りません。
それはどうしても「興味本意」にストーリーが流れ、障がいと言う「特殊性」が強調され易いせいです。
今回も敢えて見始めたのは、前回時代劇ドラマ『恋慕ヨンモ』で魅力的な演技を見せてくれたパク・ウンビンが主演して居るからと言う動機でした。
前回は似合わぬ男装がメインのドラマだったので、普通の女性の役が見たかったのです。
「普通の」女性役は残念ながら見られませんでしたが(笑)、充分に魅力有る愛らしい姿を観る事が出来ました。
相手役との呼吸も良く胸キュンします。
実際、ドラマの裏話を覗くと、このドラマは元々2021年に放映される予定が、キャスティング関連の理由で2022年に延期されたと言います。
製作陣は主人公のウ・ヨンウがどの様に演技するかによってドラマのすべてが完全に変わると判断し、理想的な俳優としてパク・ウンビンを選んだと言います。
しかし、パク・ウンビンは自分がウ・ヨンウというキャラクターをよく消化できるか負担を感じ、固辞したとの事。
それでも製作陣は、パク・ウンビン自らが出演を決めるまで、他の俳優をキャスティングせずに1年以上待ったと言います。
これにパク・ウンビンは感動してついに出演を決意、彼女にしか出来ない独特な演技で消化し、製作陣と視聴者たちが期待した通り、或いはそれ以上の名演技を広げて多くの好評を受けて居るとの事です。
実際、ドラマの彼女はとても魅力的で、彼女から眼が離せません。
余談で、先の事実が明らかになり、最高のドラマを制作するために長い時間を耐えて待った製作陣もすごいという評価を受けているそうな。
このドラマは韓国で弱小ケーブルTV局『ENA』で放送開始されましたが、表に有る通り、わずか放映2回目で大作に生まれ変わり、目下韓国の水木ドラマでトップを走っています。
Netflixでも並み居る強豪を抑えて現在トップです。
邦題が原題の反対の意味を含んで居て、当初チト軽い印象を受けますが、原題の『おかしな弁護士 ウヨンウ』としてしまうと、障がいのせいでホントにおかしな事をやらかす印象を受けるからでしょうか?
まぁ、意味合いは似ているのでコレはコレで有りかもです。
ここで企画意図をどうぞ。
POINT1. 興味深くて愛らしいキャラクターが見せてくれる克服のドラマ
「自閉症スペクトラム障害」を持つヨンウは強みと弱点を一身に持つキャラクターだ。
ヨンウの強みは、私たちのほとんどが接する事が出来ないほど優れているが、ヨンウの弱点は、私たちのほとんどがビックリするほど脆弱だ。
164の高いIQ、莫大な量の法条文と判例を正確に覚える記憶力、先入観や感情にとらわれない自由な考え方がヨンウの強みだ。
感覚が繊細で時々不安で、体を調和的に扱えなくて、ウォーキング、走り、靴紐縛り、回転扉通過などが苦手だ。
ヨンウは極度の強さと極度の弱さを一身に持つ人物であり、高いIQと低いEQの結合体であり、私たちのほとんどより優越であると同時に、私たちのほとんどより劣った存在だ。ヨンウは一言で興味深い。
POINT2.エピソード中心の法廷ドラマ
このドラマはソウル大学ロースクールを首席卒業して弁護士試験に合格したウ・ヨンウが大型法律事務所「法務法人ハンバダ」の弁護士になることから始まる。
「変な弁護士ウ・ヨンウ(原題)」はヨンウとハンバダの弁護士たちが「1話に1つずつの事件」を解決する構成だ。
毎回エキサイティングな新しい事件が挑戦状を出すと、我が主人公がいつものように素敵に問題を解く姿を見る快感、つまり「エピソード中心の法廷ドラマ」だけが持つことができる魅力を与えようとする。
POINT3. 「ウ・ヨンウみたいな弁護士」を夢見るドラマ
私たちは正直で誠実で正義で有能な弁護士を望んでいる。
しかし、現実にそのような弁護士に会うのはどれほど難しいのか?
私たちのヨンウは頑固なほど正直で誠実で正義だ。
また「法」についてなら誰よりも多く知って、引き受けた事件に執拗に食い込む情熱がある。
視聴者の口から「私もあんな弁護士に会いたい!」と言う声が自然に出てくるように、「変な弁護士ウ・ヨンウ」は毎話、「ヨンウの持つ弁護士としての長所」を忠実に表現するだろう。
(引用 公式サイト)
私はポイント3に注目しました。
今や本家アメリカに負けず劣らぬ訴訟社会に突入したと言われる韓国社会。
その分析については割愛しますが、どうしても弁護士の仕事は『アンビリーチェイサー』的な方面に流れ易く、その矛盾は第5話でも描かれ、主人公は深い苦しみを覚えました。
ここで、『ピュアな心を持つ弁護士』と言う括(くく)りを持たせる事により、今まさに社会で望まれている『正義派の弁護士』への希求を託したと言えるでしょう。
自閉症の女性が弁護士だなんて…と笑って見て居たら、実際に法曹に合格するレベルの知的能力を持った自閉症の人がアメリカにたった一人いて、これがウ・ヨンウのモチーフだと言われているそうです。
世界的に見て全く不可能では無いと言うレベルなんですね。
同じく専門職で優れた能力を見せるという類似したコンセプトの先輩格のドラマで、KBSが2013年に制作し、日本でもリメイクされた『グッドドクター』が有ります。
このドラマでの主人公の職業は医者ですが、医者は理系で、法曹人は文系で羨望される職業で、類似したプロットに細部設定などの類似点も多く、「文系版女子グッドドクター」との評も有るとの事。
私も2つのドラマの関連性が初めに浮かびました。
このドラマ、先にも述べた通り弱小ケーブルで放送開始したにも関わらず、6話放送が終了した現在、視聴率が魔の10%を超える大ヒットドラマに大化けして居ます。
次回の放送が楽しみでなりません。
この中毒性をまだ味わってらっしゃらない方は是非ご賞味を。
今まさに味わってらっしゃる方とはこの魅力を共有したいです。
回が進んだ頃、再度出没します。
では。
↓次回のレビュー記事はコチラ↓
<参考資料>
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