昨年の7月にCS衛星劇場の無料放送で1話だけ視聴した上記ドラマ『チョリンワンフ哲仁王后』ですが、いよいよ全話視聴の運びとなりました。
ネットショップをサーチしてのDVD購入ですが、やっと辿り着いたドラマ視聴が嬉しくて人知れず大喜びしました。
やっとの事で全話観られます。
それにしても韓国のドラマを容易(たやす)く観る事が出来る様になって久しいのに、どうしてこんなに視聴が難しいのでしょう。
そもそもNetflixなどOTT(配信サービス)でも配信しない限り、何時でも何処でもと言う訳には行きません。
その上権利金の問題が有るので、『目玉』になる作品はレア感を醸し出す為かおいそれとは簡単に放送しません。
このドラマ『チョリンワンフ哲仁王后』にしても昨年7月にCS衛星劇場で放送した後、今年2月からWOWOWプライムで放送されました。
今後WOWOWオンデマンドで放送される可能性は高いですが、独占放送する限り日本版のDVDも発売されず、BSで無料放送される可能性も大きく有りません。
この様な放送局のカルテルで不便を強いられるのは日本の視聴者のみで、せっかくの視聴意欲も萎えてしまうのはとても惜しい事です。
何より多くの方々に観てもらう機会が無い事が残念です。
と思って居たら今年の9月、突如テレビ東京で放送を始め驚きました。
突如地上波で放送が始まるとは意表を突かれました。
他のドラマも地上波で放送されると良いです。
特に私の様に韓国時代劇ドラマを商売(と言ってもお金を稼いでいる訳では有りませんが:笑)にして居る人間の出る幕が無く、とっても困った状態です。
商売ネタが無いと生きて行けません(笑)。
ブログ記事を書く事が今や生き甲斐で、それしか楽しみが無いので死刑宣告を受けている様な物です(チトオーバー?)
いずれにしても『チャングム』や『トンイ』の様に今も何処かで再放送されるスタンダードナンバーがひとつでも多く増えてくれる事が日韓の文化交流にも寄与してくれると思うのです。
『イカゲーム』の様なブームは呼ばなくても、上質な時代劇ドラマは日本でも視聴者の心を奪う筈です。
この様なドラマたちが日本での新しいスタンダードになる事をいつも願っています。
と言う『世界のハジから愛を叫ぶ』私の戯言(たわごと)はどうでも良いですが、取り敢えず私が最近観たかった時代劇ドラマ3作品、❶アメンオサ暗行御史❷赤い袖先クットン❸チョリンワンフ哲仁王后を3作とも視聴出来る事になったのですから、まずは結果オーライと申しましょう。
しかしながら時間の無い中、眠い眼をこすりながら頑張って視聴して居るのですが、夜遅いせいか眠くてうつらうつらしてしまう事も多く、話数も20話と多い上に1話自体も70分強と長いので、かなり体力と気力を要求されます(笑)。
こんなに長い時間のドラマ、リアルタイムで鑑賞する韓国の視聴者はどれだけタフなのでしょう?(笑)。
韓国人のドラマ好きは世界的にも異常?
『チョリンワンフ哲仁王后』については以前、1話だけ視聴してレビュー記事を書きました。
↓レビュー記事❶はコチラ↓
何を書いたか忘れてしまって居ますが、簡単なあらすじについては書いたので省略する事とします。
現在6話まで視聴して居るので、当然今まで視聴した上での感想になる訳ですが、前作『赤い袖先クットン』を観た後だけにギャップが激しいです。
同じヒュージョン史劇と括(くく)るには無理が付き纏う程のギャップで、コメディーとは言え以前観た『アメンオサ暗行御史』と比べても雲泥の差が有ります。
このドラマは時代も性別も越えて朝鮮王朝時代の王妃の体に憑依(ひょうい)してしまった、現代を生きる大統領シェフの男性の魂が引き起こす、奇想天外な宮廷生存記を描いたドラマですが、ここまでブチ抜けた設定も珍しく、韓国エンタメの懐の深さを再三実感します。
このドラマ、主演のシン・ヘソン、キム・ジョンヒョンのコミカルな演技が好評を受け、第1話から視聴率8.0%〜9.9%でケーブル、総合編成チャンネルを含めた同時間帯1位を占め、これまた名作『ミスター・サンシャイン』に続き、tvN歴代ドラマ視聴率2位を記録しましたが、その後の視聴率はさらに上昇し、最高視聴率18.554%と言う大成功を納めました。
この様に初放送からヒットを記録しましたが、歴史歪曲論争に巻き込まれ、数々の論争が勃発しました。
ドラマ「哲仁王后」の原作は中国の小説で、中国ドラマ「太子妃升職記」です。
問題はその小説を書いた原作小説の中国作家は、過去朝鮮人を卑下する発言をして“嫌韓”騒動を起こした事があり、『チョリンワンフ哲仁王后』に対する一部の反感を呼び出したのです。
制作発表会でユン・ソンシク監督は「原作から現代の浮気者の男性の魂が太子妃の体に入るという設定だけ持って来ていて、ストーリー展開は全く違う」と原作とは一線を画した展開で有ると断言しました。
ところが放送終了後、この期待に水を差す動きが起こってしまったのですが、その直後SBSで放送が始まった歴史ドラマ『チョソンクマサ朝鮮駆魔史』がきっかけでした。
以前、私も記事を書きましたが、このドラマは朝鮮国王が悪霊に取り憑かれて罪のない民を虐殺する描写に加え、中国風の調度品や料理などを登場させるなどした事が、歴史歪曲だと大きな論議を巻き起こしました。
これにより、なんと2話で打ち切りに追い込まれるという前代未聞の事態となったのです。
このドラマを手がけた脚本家パク・ゲオクの前作が当ドラマ『チョリンワンフ哲仁王后』だったことから、騒動は同作へも飛び火しました。
その結果、韓国で『哲仁王后チョルインワンフ』は再放送不可となり、俳優のCM出演にまで言いがかりのような非難が寄せられました。
特に最近、中国企業が韓国ドラマのスポンサーとなって、過剰な広告を劇中に入れる傾向が目立っており、そうした事への反発もあって、より問題が大きくなった模様です。
別のドラマ『ビンツェンツォ』で、主役が中国製の即席ビビンバを食べるシーンが放送後に問題となって、再放送や配信ではカットされたという話も記憶に新しいですが、第2話で朝鮮王朝実録を「ゴシップ」記事の様だ(韓国で찌라시)と表現した点について、多くの視聴者の反発を呼びました。
さらに、一部の視聴者らは「哲仁王后」の設定と台詞が韓国の伝統文化と王朝を戯画化するのではないかと指摘し大騒ぎになりました。
「男性嫌悪」騒ぎも起こり、いわれの無い非難など多くの騒ぎが持ち上がりました。
大統領請願だけでも700余件の訴えが出されたと言いますから騒ぎの大きさが伺えます。
幸い、今ではオンデマンドが再開されて居ますが、これ程騒ぎを巻き起こしたヒット作は珍しいと言えるでしょう。
確かに設定もぶっ飛んでいれば会話内容もぶっ飛んで居て、額面通り受け取れば「問題作」で有る事に違い無いと言えます。
これまで我々が観て来た「史劇ドラマ」とは次元の異なる新次元のドラマで有る事は間違い有りません。
これは少なからず韓国のジェンダーフリー、女性の解放を意識したドラマだと思えますが、設定を時代劇にしたせいで突拍子の無いドラマになってしまった事に違い有りません。
男女差別が最大だった朝鮮王朝後期を舞台にして居るだけにその違和感は絶大です。
客観視出来ない視聴者も多数存在する事でしょう。
この問題は今回の大統領選挙でも露見した男女間の断絶とも密接に絡んで居て、韓国社会の闇の深さが透けて見えます。
当ドラマがそんな韓国社会の歪(ひずみ)のあおりをモロに受けてしまった感が有りますが、ジェンダーフリー問題を視聴者1人1人が考える好材料となる事でしょう。
賛否両論は有れど、常に新しい素材、設定を模索する韓国エンタメの底力を実感するにも良い作品であると思われます。
そんな事を考えながらドラマを視聴して居ますが、波濤の展開でもまだ6話と、ドラマの半分にも満たない訳ですから、どうなる事やら?と訝(いぶか)しみながらドラマ視聴を続けたいと思います。
また、続きが書きたくなったら出没させて頂きますのでよろしくお願いします。
では。
<参考文献>
나무위키
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#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画