第7章 韓国ドラマ映画 
123.ドラマ地獄が呼んでいる❷
 
 
 
 
 
※今回は普段以上に長いです。
お付き合い下さる方のみお付き合い下さい。
 
地獄が呼んでいる視聴終えました。
時間が無くてスマホ視聴が多かったので、画面が暗い時など理解しにくい場面も有り、少々不完全と言えなくも有りませんが、取り敢えず完走しました。
 
レビュー記事❶が有るのでよろしかったら

 

 

 
このレビュー記事は出来ればドラマを観終わった方に読んで頂きたいですし、ストーリーに関して然程(さほど)述べて居ないので、観る前だと参考にならないと思われます。
 
余談ですが、私は昔から学者タイプなのか、何事も分析するのが好きです。
何故そうなったのか因果関係が知りたくなります。
 
 
歴史が好きな理由もそう言う意味合いが多いです。
 
今日ドラマを見終えて、正確に言えば観てる間中ですが、沸き起こった疑問は「韓国は何故パニック映画・恐怖映画が好きなんだろう?」と言う物でした。
 
 
日本やアメリカなどでも恐怖映画は好まれます。
特に私もヒッチコックの恐怖映画などは好きです。
しかし、韓国の恐怖映画は少々毛色が違うと思います。
 
ドラマレビューとは少々話題が遠ざかってしまうかもですが、お付き合い下さい。
 
 
韓国はホラー映画・パニック映画が好きだと思います。
 
韓国ホラー映画の流れを述べて居るサイトが見つかったので、少々引用させて頂きます。
 
伝統的な韓国ホラー映画の特徴は、幽霊、モンスター、悪人に代表されるものが事情を持つという点だ。
米国や日本のホラー映画は絶対的な悪が不特定多数を相手に理由のない殺人を犯すのが特徴だ。
それに反して韓国の恐怖映画は悔しく死んだ人が幽霊になって、また別の被害者を産む。
 
 
韓国初の恐怖映画である「チャンファホンリョンジョン薔花紅蓮伝」(1924)は、継母に殺された娘たちの復讐劇で、女性鬼が主人公となる韓国初期恐怖映画の前身になる作品だ。
 
以後、1970年代まで続く韓国のホラー映画は、ほとんど幽霊の悪行、悔しい事情把握、加害者処罰のメカニズムに従い、一種の復讐劇と似た形をしている。
 
 
1980年代に様々なジャンルの映画制作経験があるベテラン監督たちがホラー映画に挑戦し、韓国ホラー映画はさらに多彩な様相を帯び始める。
 
パク・ウンギョ監督は「亡霊の恨ハン」(1980)、「亡霊のウェディングドレス」(1981)で既存の女性の幽霊に一味違ったストーリーを加え、家父長制社会と軍事政権の道徳性を批判する。
 
 
他にもイ・ヒョクス監督の「女哭声」(1986)、コ・ヨンナム監督の「深夜突然」(1981)は歪んだ心理描写と家族の崩壊をテーマに大きな成功を収め、韓国映画史に道を残す歴史的な作品となった。
 
 
1998年に公開されたパク・ギヒョン監督の「女子怪談」を皮切りに韓国のホラー映画はこれ以上、因果応報叙事に留まらなくなった。
海外の恐怖映画のように事情がない絶対悪が登場したり、オカルト、ゾンビ、スラッシャーなど新しい試みを通じて既存の韓国型恐怖慣習から抜け出して様々な変奏を試みた。
 
(中略)
 
 
戦争を経験した兵士は、近くで生き残ったとしても恐ろしい記憶を忘れず、簡単に日常に戻れない。
「アルポイント」は、幽霊をテーマにしたホラー映画のようだが、事実上極端な状況を経験した人間が崩れる過程について語っている。
 
軍隊は戦争を準備し殺人を遂行する合法的な武力集団だ。
集団を保護するために、時には個人が犠牲になったり不合理な選択を強いられる悲劇が発生することもある。
私たちの社会は多くの戦争の痛みを経験して来た。
戦争を直接経験した兵士だけでなく、家族を失った遺族、人生の場を失った先住民など世代全般が戦争によるトラウマを持っている。
 
 
また、歴史の記録と私たちの生活に残った戦争の痕跡を通じて、戦争を直接経験しなかった世代も強さは弱いが、その恐怖を共有する。
 
(中略)
 
  不毛地と同じだった韓国映画界で、オカルトが位置づける事が可能だった理由は、韓国社会に不信が根深く下ったからだ。
 
 
既存の恐怖ジャンルは勧善懲悪の規則に忠実に従ってきた為、自分が悪い事を犯さなければ処罰の対象から抜け出すことができた。
だが「哭声」には勧善懲悪の概念がなく、運が悪ければいつでも死ぬという恐怖に捕らわれる。
一定の対象なしにランダムに殺人を犯す「通り魔殺人魔」の概念と一脈相通する点だ。
私の意志に関係なく安全を保障されない社会で生きていく観客は、オカルトの「絶対悪」概念に共感するしかない。
 
 
ナ・ホンジン監督の「哭声」は絶対的な力を持つ悪の存在だけでなく、悪魔に惑わされる人間の姿に集中する。
悪魔を倒すための退魔意識でも韓国型オカルトだけの独特な点が現れる。
 
既存のキリスト教中心の世界観から抜け出して、巫俗信仰、仏教を基盤に、天主教、キリスト教など様々な宗教が登場するという点だ。
 
 
さらに、巫俗信仰のソラン神とカトリックの花嫁が異なる主張をして、娘を守ろうとする主人公を混乱させる。現代社会で「信仰」の意味とは何かを考えるようになる課題だ。
 
(以下略 引用 카이스트신문 공포영화, 한국 사회를 비추다  カイスト新聞 恐怖映画 韓国社会を照らす)
 
 
今回も引用が長すぎました。
 
一言で、韓国でパニック映画・恐怖映画が流行るのは
❶朝鮮戦争と、分断による現在進行形の恐怖
❷社会の急速な変化による共同体の崩壊
❸上記による、通り魔事件などの多発の恐怖
❹警察、公権力に対する不信感
 
 
などと関連して居ると、私は分析します。
 
話しが大きくなり過ぎるのでこの位で収めますが、そこが平和な日本などとの差異だと思いますし、これ程パニック映画が大ヒットする要因だと思います。
 
このドラマ「地獄が呼んでいる」はこうした韓国社会の特色から出発しないと理解不可能では無いでしょうか?
 
 
もうひとつ言えば、韓国社会で旺盛な宗教で有るキリスト教的な世界観が多いに影響して居ると見られます。
 
絶対正義、最後の審判、アルマゲドンなどの概念が身近に存在し、日本でもその触手を伸ばして居る新興宗教の恐ろしさを人々が実感出来る事が根底に存在すると思われます。
 
 
こうした問題をドラマ映画のモチーフにする事は好みがハッキリ分かれますし、日本で描くとバカバカしいと毛嫌いを起こす層も私を含め多数存在します。
 
この様な超実験作を上梓出来る所にNetflixの強みが有り、イカゲームの様に大化けする可能性が有ると言えるのでは無いでしょうか?
 
 
このドラマをどう理解するかはとても難しく、色んな解釈が可能です。
沢山の方の感想を知りたいです。
 
<参考文献>
한국일보 연상호의 독보적 세계관... 웹툰 '지옥'을 넷플릭스로 봐야 하는 이유
카이스트신문 공포영화, 한국 사회를 비추다  
나무위키 

 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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